名曲中の名曲!!ショパンの「別れの曲」について難易度や弾き方をお伝えしたいと思います。
是非ともレパートリーにしたい曲ですね!!



まずは別れの曲について知ろう!!

いきなり衝撃的な雑学。
「別れの曲」というタイトルは世界では通用しません。

∑(゜∀゜) ナンダッテー!!

なぜかと言うと、このタイトルはショパンの伝記映画の邦題として付けられたものだから。
(1934年のドイツの映画です。日本で上映されたのはキャスト入れ替えのフランス語版。この作品もなかなか素晴らしいんですがその話を始めると長くなるので割愛。)

この曲の正式名称は「エチュード op.10-3 ホ長調」。
クラシックピアノ界に燦然と輝く最高峰のエチュードとして君臨し続けるショパンエチュード(全24曲。新エチュードも含めると全27曲。)の中のひとつです。
エチュードの中には他にも「黒鍵のエチュード」「革命」「木枯らし」など素晴らしい名曲がたくさんありますね。

この「別れの曲」が作曲されたのは1832年、ショパン22歳。
ん~・・・若干22歳でこの琴線に触れるような至高の音楽性。
まさに天才!!

構成は明確な3部形式。
有名なテーマの部分Aと、中間部の音楽が推進力を持ってどんどん進んでいく部分B、そしてまた冒頭のAというA-B-Aの形をとっています。

技術的に難しいのは、言わずもがなBのところ。
一般的に「難所」と言われるところです。
でもこのBにエネルギーと推進力を与えることによって、前後のAの美しさがより際立って聴く人の心をギューーーーー!!っと鷲掴みしちゃうんです。
なんとかBを攻略してレパートリーに加えましょう!!

気になる難易度は?

全音の難易度表ですとFランク。
全音ではA~Fにランク付けされてるので、一番難しいランクってことになります。

でもここで「え?この曲が一番難しいランクなの?」
と思ったあなた!!

せいか~い!!カランコロンカランコロン~!!

悲しいことに、世の中もっと難しい曲なんてゴロゴロゴロゴロその辺の石ころ並みに溢れてます。
ショパンのエチュード24曲の中ですら、この「別れの曲」は入門編のようなレベル。

あぁ・・・果てしないピアノ道・・・・。

しかーし!
この曲に挑戦しようという皆様は中級を脱した上級者であることには間違いない!!
そう、間違いなくこの曲は上級レベル!!
(厳密に言うなら上の下くらいかもしれないが)
上級者ならほぼ必ずと言っていいほど通る道(曲)なのです。


弾き方のコツ① メロディーが命!

さて、お待たせしましたリアルに弾き方をお伝えしていきます。

まずはAのメロディー。
何といってもソプラノに位置する旋律がこの曲の命です。
心の中の大切な大切な柔らかい部分を静かに語るように、けれどもその奥底にはしっかりとした芯があるような、これぞまさしく「歌うように弾く」のお手本のようにメロディーを奏でましょう。

よく「歌うように弾きなさい!」って先生に注意されたりしませんでした?
どうやったら歌うように弾けるか。
それはとにかく実際に声に出して歌ってみることです。
気持ちを込めて。
メロディーを大切に想いながら。

その歌った抑揚、大きさや広がり方や閉じ方やエネルギーのかけ方なんかをそのまんまピアノで再現していくんです。

この練習は絶対にメロディーのみを取り出して行うこと!!
両手で弾けるからって両手で弾きながらメロディーを歌う練習をしたって、他の音に埋もれて大して歌えません。
いきなり両手で上手くメロディーを歌えるならとっくにピアニストになってます!!
ここは地道に地道にメロディーのみの練習に徹しましょう。

そしてところどころ、メロディーにアクセントが出てきますが、ショパンのアクセントはアクセントにあらず!
ショパンの音楽にアクセントが出てきたら本来のアクセントとは思わず「大切に弾くんだな」と思ってください。

弾き方のコツ② 内声

Aで重要なのが内声。
先ほどのソプラノ部分のメロディーと低音部のバスに挟まれた真ん中の声部ですね。


時計がチクタクチクタクと静かに時を刻むように、指は立てず指紋のあたりで、出しゃばらずに弾きましょう。

この内声はほぼ右手の親指と人差し指で弾くことになると思いますが、どちらの指もコントロールが簡単なようで実は難しい指。
親指はちょっと気を抜くとゴーン!って爆弾みたいにでっかい音になってしまうし、人差し指って毎回毎回同じくらいに柔らかい音を出すのがなかなか神経使うんです。
この部分もぜひ内声だけの取り出し練習をやってみましょう。

そもそもこの曲はエチュード(練習曲)なので、何かしらの演奏技術習得の為に作られているのですが、このAの冒頭のテーマではカンタービレ(歌うように)でメロディーを弾く技術、そして全体の中での内声のバランスの取り方が主な目的かと思います。

メロディーと内声、バスなどが喧嘩したような演奏にならないよう、よーく耳で自分の音を聴きましょう。

弾き方のコツ③ 中間部

さぁ来ました中間部!!
ここで挫折してしまう人もいるんじゃないでしょうか?
その昔、私もここが弾けず途中で投げ出してしまった悲しい記憶が・・・。
(あの時投げ出さなかったらその後もっと上達したんちゃうんか?!という切ない後悔がいまだに・・・笑)

何が難しいって、もともとホ長調でシャープが4つも付いてるのに、中間部ではシャープとフラットとナチュラルが入り乱れてもうわかわからんー!!( ̄□ ̄|||)な状態になっちゃうんですよね。

わかる・・・わかります・・・

でも、ちょっと時間をかけてゆーっくり譜読みしてみましょう。
まず38小節からの部分、ほぼ半音で成り立っているのがわかりますか?


右手は2つずつ、半音(鍵盤で言うとすぐ隣の音)の組み合わせになってますね。
左手は全て半音でどんどん下降。

半音で成り立っているということがすこーし理解できると、ずいぶん演奏がラクになります。

そして一番の難所46小節からの部分。
ここは手の小さい人や指が開かない人にはとーっても弾きにくい。
弾く前と弾いた後に毎日指や手のひらのストレッチをして、よーく開くようにしてあげましょう。
(このストレッチがけっこう重要だったりするんです!私も手はそんなに大きくない方ですが、毎日ストレッチして開くように頑張ってたら、今では9度は軽く取れるようになりました。ぜひお試しを!)


ここはスラーのかかっている2つずつのセットで手首をしなやかに使うことも重要です。
スラーの初めの和音はしっかりと掴むように弾き、スラーのしっぽの方の和音は上に脱力するように。
スラーのしっぽがドスン!と大きな音になると無様なショパンになっちゃうので要注意です。

練習する時はゆっくりゆっくり。
着実に指が動くまで決してテンポを上げず、亀の歩みでいきましょう。

まとめ

さすがにエチュード界の至宝、ショパンエチュードの中の1曲なだけあって、一筋縄ではいかないかもしれません。
でもゆっくりと、着実な歩の進みは必ず素晴らしい演奏へと結びつきます!

弾き方のコツは、
① しっかりとメロディーに命を吹き込むこと
② 内声のバランスをよーく聴くこと
③ 中間部は2つずつのセットにしてゆっくり練習すること
です。

ショパン自身が「僕が作った中で一番美しいメロディーを持つ作品だ」と言っているくらい芸術性の高い美しい作品です。
弾きこなせるよう応援しています!!