ピアノの名曲と呼ばれるものは沢山あります。
ピアノ弾きたちの憧れの名曲、ピアノという枠を飛び越えて、一般の人にもよく知られている名曲・・・。

先日ご紹介した、モーツァルトのトルコ行進曲も、そうした有名な曲の1つですが、今回ご紹介するこの曲も、それに勝るとも劣らない有名な曲の1つです。

バダジェフスカの乙女の祈り。
きっとメロディラインをきいたら、「ああ、きいたことある!」となるはず。
それではさっそく、弾き方を考えていきましょう。



難易度はどのくらい?


全音ピアノピースではC(中級)で紹介されています。
右手も左手も、オクターブが沢山でてきますので、オクターブが苦手、オクターブが届かない方にとっては、難曲となるかもしれません。

ですが、曲の構成はいたってシンプル。
オクターブが届くようになったら・・・・あるいは、オクターブの練習のためにも、もってこいな1曲です。

楽譜について

今回記事を作成するにあたって、IMSLPの無料楽譜を用いました。(楽譜リンク

ほかには、
先生と生徒のためのピアノ作品集 ピアノの先生1000人が選んだ 発表会で弾く名曲 30
先生と生徒のためのピアノ作品集 ピアノの先生1000人が選んだ 発表会で弾く名曲 30

こういった楽譜も。

ピアノピースで選ぶのも楽しいですが、こうした「発表会のための」というものや「名曲100選」というものは、まず誰もがきいたことのある曲がおさめられていることがほとんどですので、あなたのレベルにあった、あなたの弾きたい曲をこの中から見つけてみるのもオススメです。

コードってなんじゃろな


クラシックを中心に弾いている方には、あまり馴染みがないかもしれませんが、たとえばJ-POPなどのクラシック以外の楽譜を弾いたときに、小節の上に「A」や「Cm」など、アルファベットが書いてあるのを見たことはありませんか?

これは「コード」といって、簡単に説明しますとクラシックでいう「和音」を、おたまじゃくし以外の方法で表したものです。

楽譜では、五線譜に「ド」「ミ」「ソ」と記入しなければ、和音になりませんが、コードは「C」とかくだけで、「ド」「ミ」「ソ」の和音である、と記しているのです。

実は乙女の祈りは、この「コ―ド」で説明しますと、3つくらいの和音しか使用していません。

その音とは、
E♭(ミ♭ソシ♭) 
Fm(ファラ♭ド)
B♭7(シ♭レファラ♭)
の3つ。(※極力シンプルなコードで表記しています。)

たった3つの和音しか使っていないと思うと、簡単に思えてきませんか?

クラシックでは、こうしたコードで表記されることは滅多にないと思いますが、ポピュラー楽譜にもなじみのある方がいたら、乙女の祈りは、あなた向けの曲かもしれません。

テーマの繰り返し、繰り返し・・・

この曲は、コード以外にもシンプルな点があります。
それは、テーマの繰り返しということです。

順番に楽譜を追ってみますね。

(動画 0:02~)

はじめの4小節は、イントロです。とくに最初の2小節間は、右手と左手が(音の高さは違いますが)まったく同じ動きをしています。はやく弾く必要はありませんので、余裕をもって、音の間違いがないように弾きましょう。

(動画 0:19~)

5小節目から12小節目。この8小節間が、この曲のテーマです。
右手はオクターブ、左手もオクターブを含めた和音の動きがあるので、パッと見た感じですと、鍵盤をとても幅広く使っているように思いますが・・・本当にそうでしょうか?

右手は同じ音のオクターブ。
左手は、1音目と2音目で鍵盤が離れますが、実はこれ、先ほどお話した「コード」の音を

5小節目=E♭(シ♭ミ♭ソ)
6小節目=Fm(ラ♭ドファ)
7小節目=B♭7(ファラ♭シ♭レ)

といった具合で弾いているだけなのです。


その後は、このテーマをもとに、アレンジしたものが、合計5パターン展開されるだけ(繰り返しを含む)。
それでは、それぞれのパターンの特徴を見ていきましょう。

1パターン目&2パターン目(13小節目~21小節目)

(動画 0:44~)(動画 1:09~)

右手は連符となって細かく動いていますが、これは、コード(和音)の音をバラして弾くアレンジとなっています。

高さは違いますが同じ音を繰り返し弾いていませんか?
7連符や10連符、トゥリルなどややこしい部分もありますが、これも同じ音の繰り返しで構成されています。惑わされず、弾きこなしてしまいましょう♪

3パターン目(22小節目~29小節目)

(動画 1:34~)

メロディがヘ音記号で奏でられています。右手と左手を交差させて、弾いていきましょう。
手の交差は・・・(ここだけの話、ピアノを弾いたことのない方から見ると、とても高度なテクニックに見えるらしいので、見せ場ですよー!!!)マスターしちゃいましょう!

4パターン目&5パターン目(30小節目~38小節目)

(動画 2:00~)(動画 2:24~)

右手はトゥリルからはじまり、1パターン目と同じように、和音の構成音を駆け上るようなアレンジとなっています。

左手は、最初と変わらず和音の動きです。
もうそろそろ左手の和音の動きにも慣れたころじゃありませんか?
ここでも10連符などがありますが、これも構成音。軽々と弾ききってしまえるはず♪

そしてエンディングへ(39小節目~)

(動画 2:47~)

39小節目からは、テーマのアレンジであり、かつエンディングの部分です。
fフォルテで、オクターブ。盛り上がらない方が無理というオハナシです。
右手は同じ音のオクターブ、そして左手は最初のテーマからほとんど変わらず、和音のまま!

ここまで弾いてきたならば、何も怖いことはないはずです。
気持ちよく弾ききってしまいましょう♪

まとめ

1. 難易度はC(中級)オクターブが必須。
2. コードなどで和音を弾くことが慣れていれば楽勝かも?
3. 最初のテーマの繰り返し
4. 1&2パターン目の右手は、和音の音をばらしているだけ。
5. 3パターン目は、見栄えよく決めて!
6. 4&5パターン目も和音を駆け上る。
7. 6パターン目(エンディング)は、オクターブで気持ちよく!

こうしてみてみると、長い楽譜、おたまじゃくしで黒い楽譜も、案外簡単に見えてきませんか?
そして、アナタはきづいたでしょうか・・・?
この曲、最初から最後まで、ほとんど左手が同じパターンを繰り返していることに・・・!

弾きごたえ、聞きごたえもたっぷり、ピアノ弾きにとっても、そしてピアノを知らない人でもきっと聞いたことのある名曲。
バダジェフスカの「乙女の祈り」。

ぜひ、練習してみてください♪


※今回、使用させていただきました楽譜と、演奏動画の長さに違いがありました。
曲の長さ、繰りかえしなどは演奏動画に準じています。


バダジェフスカ「『乙女の祈り』Op.4」の記事一覧