様々な分野で活用されている、ノンバーバルコミュニケーション=非言語コミュニケーション。
もちろん、音楽療法のセッションでも利用されており、重要な役割をはたしています。
では、具体的にノンバーバルコミュニケーションはどのような意味を持ち、どのような効果が表れるのでしょうか?
その重要性についてご説明します。

■ 目次

ノンバーバルコミュニケーションとは?


ノンバーバルコミュニケーションとは、言語を介さずにとるコミュニケーションのことで、非言語コミュニケーションのことです。

私たちは、コミュニケーションと聞くと、言葉を交わすことを想像しがちです。

ですが、ノンバーバルコミュニケーションという、言葉を使わずに行うコミュニケーションも、言葉を使うことと同時に行っています。

例えば、話しているときの表情や、しぐさ、姿勢や相手との距離の置き方などが、ノンバーバルコミュニケーションだといわれています。

話をしているとき、相手の方が、口には出さないけれどもつまらなさそうな態度だと、それが自分に伝わって、話をする気をなくしてしまったりしますよね。

相手が話をしてくれるときに、身振り手振りを交えて話をしてくれると、一生懸命さが伝わって、もっと話を聞いていたいと思うこともあるでしょう。

これらが、実際の日常会話でも行われている、ノンバーバルコミュニケーションです。

音楽療法のセッションの中でのノンバーバルコミュニケーション

音楽療法のセッションにも、ノンバーバルコミュニケーションは利用されています。

音楽療法士は、セッションを行う際、服装に気をつけたり、話しかける声のトーンや声質を、クライエントに合わせて変えてみたりしています。

これは、音楽療法士自身が表現している、ノンバーバルコミュニケーションです。

また、楽器を使ったノンバーバルコミュニケーションもあります。

例えば、会話をするように、セラピストとクライエントが楽器の即興演奏を行ったとします。

クライエントが奏でる音に、セラピストが呼応し、それを一つの音楽として作り上げる作業をするのです。

このことは楽器を使ったノンバーバルコミュニケーションと言えるでしょう。

そして、合奏をする場面でも、ノンバーバルコミュニケーションは行われます。

合奏をする際には、クライエント同士も、お互いの音を聞き、相手に合わせることや、視線などで合図をおくるなどの方法で、自然な形で、コミュニケーションをとっているのです。

これらが、音楽療法のセッションにおけるノンバーバルコミュニケーションです。

音楽療法のセッションの中でのノンバーバルコミュニケーションの意味や効果とは?


音楽療法のセッション中に、セラピストは積極的にノンバーバルコミュニケーションを活用しています。

音楽療法士が、服装や声のトーンにまで気をつかう理由は、クライエントに、親しみやすいイメージを持ってもらい、セッションをスムーズに行うためです。

また、即興演奏という形でノンバーバルコミュニケーションを図ることにも意味があります。

特に、発達障がい児や自閉症児などの中には、言葉を使ったコミュニケーションが難しい子もいます。

そのような子と、即興演奏を通じてコミュニケーションを図ることで、子どもたちは他者を認識し、コミュニケーションをとることを覚え、やがて言葉を使ったコミュニケーションへと発展させていくことができるようになることを期待するのです。

音楽療法のセッションの中でのノンバルーバコミュニケーションの重要性

音楽療法のセッションでは、クライエントが障がい児・者や高齢者であることが多く、言葉では、自分の考えなどを伝えることができない方も多くいます。

言葉で伝えられない理由も、言語障害があったり、発達障害があったり、ただ話すのが苦手だという方がいたりなど、様々です。

そんな中で、ノンバーバルコミュニケーションは、言葉を使ったコミュニケーションをとる助けになってくれるのです。

言葉を使ったコミュニケーションに頼りすぎないようにすることが、音楽療法の流れをスムーズにし、楽器を介するコミュニケーションを作り出し、音楽を効果的に利用することに繋がります。

言葉を使いこなすことが難しいクライエントも多い音楽療法において、ノンバーバルコミュニケーションは重要な役割を果たしているのです。

まとめ

  1. ノンバーバルコミュニケーションとは、言語を介さずにとるコミュニケーションのことです。
  2. 音楽療法のセッションの中でノンバーバルコミュニケーションは、セラピストの服装から楽器を介するコミュニケーションまで、多くのことに利用されています。
  3. 音楽療法のセッションの中でのノンバーバルコミュニケーションの意味や効果とは、セッションをスムーズにし、言葉を使ったコミュニケーションにつなげる役割を果たしているということです。
  4. 言葉を使ってコミュニケーションを取ることが難しいクライエントも多いため、音楽療法のセッションの中でのノンバーバルコミュニケーションは重要なコミュニケーションの方法であると言えます。
コミュニケーションを取る方法は、言葉を使ったものだけではありません。
ノンバーバルコミュニケーションを活用することで、コミュニケーションの幅が広がります。

ノンバーバルコミュニケーションを知り、うまく使うことで、より効果的に音楽療法を行えるといいですよね。


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