末期ガンなど、余命の限られた人に対しての緩和ケアに、音楽療法が使用されることがあります。

ホスピスでの音楽療法とは、どのようなものなのか、またその目的についてもご紹介していきます。

ホスピスでの緩和ケアとは?


ホスピスとは、本来、余命が限られている方を対象にして行われるプログラムの総称です。

日本では、建物に対してホスピスという言葉が使われる傾向にあり、多くの方が、ホスピスと聞くと、建物自体を思い浮かべるとは思いますが、自宅で行う終末期ケアもホスピスに含まれます。

余命が限られている方というのは、例えば、悪性腫瘍の患者さんや後天性免疫不全症候群、つまり、エイズの患者さんなどです。

そして、ホスピスにて患者さんに対して行われるのが、緩和ケアです。

緩和ケアとは、患者さんの苦痛を緩和するために行われるケアのことです。

患者さんは、ガンなどに侵されていることによる、身体的な苦痛から逃れる必要があります。

また、迫り来る死の恐怖や残された家族などに対する不安などの精神的な苦痛とも戦っています。

このような苦痛から、患者さんを守ってくれるのが、緩和ケアです。

音楽療法での緩和ケアの目的とは?

緩和ケアでは、音楽療法が使われることがあります。

音楽療法で精神的な苦痛や身体的な苦痛を取り除く助けをするのです。

もちろん、音楽療法だけで身体的な苦痛が取り除けるわけではありません。

身体的な苦痛については、薬の服用などの方法で取り除く助けとして、音楽療法が使われます。

また、精神的苦痛についても、直接、言葉で不安などについて話し合うわけではない音楽療法だけで、十分に対応できるわけではありません。

音楽療法士は、医師や看護師、ソーシャルワーカー、作業療法士などチームを組んで緩和ケアにあたります。

その中で、音楽を聞いたり演奏したりすることによる疼痛の緩和や不安の軽減、最期の時までその人らしく生きられるよう音楽を通して助けることを目的として行われます。

音楽を聞いたり演奏したりしている間は、患者さんの注意は痛み以外のものに向けられることで、疼痛緩和が実現します。

また、音楽療法によって、感じる痛みが減ると、患者さんの身体の緊張がほぐれます。

それと同時に不安を軽減して、精神的に安定すると考えられています。

そして、目前に死が迫っている状態でも、音楽を楽しみ、最期の時まで、その人らしく生きられるようにサポートを行います。

ホスピスで音楽療法を受ける方法とは?


ホスピスで音楽療法を受ける方法は、限られています。

なぜなら、音楽療法士が緩和ケアのチームの一員として働いているホスピスの数が多くないからです。

また、日本では、ホスピスの数自体が足りていないと言われています。

そのような状況の中で、緩和ケアの一環として音楽療法を受けるには、音楽療法士のいるホスピスに入院するか、音楽療法士を個人的に雇う方法があります。

音楽療法を実践しているホスピスは、数が少ないながらも存在します。

そのような病院が近くにあれば、比較的簡単に音楽療法を受けることができるでしょう。

もう一つの方法の、音楽療法士を個人的に雇うという方法についてですが、こちらは、少し難しいかもしれません。

なぜならクリアしなければいけない課題がいくつかあるからです。

それは、まだまだ人数の少ない音楽療法士を探さなければならないこと、音楽療法を受けることについて病院の理解を得る必要があること、料金が発生してしまうことなどです。

音楽療法士については、ホームページなどで、地域にいる音楽療法士をみつけることができるかもしれませんし、音楽療法士の養成校に問い合わせることで、卒業生などを紹介してもらえるかもしれません。

また、多床室に入院しているなどの理由で、病室での音楽療法ができない場合は、体調の許す限り、病室以外の場所や屋外などで行うことで、病院側の許可が下りることもあります。

そして、料金に関してですが、音楽療法は医療行為ではないため、医療保険の対象にはなりません。
そのために、音楽療法を受ける費用は、雇った音楽療法士が相場などから決定することになります。

これが、自分や家族の大きな負担になってしまわないかどうか、事前に十分確認しましょう。

まとめ

1. ホスピスでの緩和ケアとは、余命が限られている状態で受けることができる、身体的・精神的苦痛をできる限り取り除いてくれるケアのことです。
2. 音楽療法での緩和ケアの目的とは、疼痛緩和と不安の軽減、また、最期までその人らしく生きられるようにするための、サポートを行うことです。
3. ホスピスで音楽療法を受けるには、音楽療法士がいるホスピスに入院する方法と個人的に音楽療法士を雇う方法があります。

音楽療法は、終末期の患者さんにとって、疼痛緩和や不安軽減といったメリットをもたらしてくれますが、日本ではまだまだ認められていない点も多く、普及していないのが現状です。

音楽療法を受けるためには、患者さん側が努力する必要がありますが、自分らしく最期を迎えるために音楽療法を利用できれば幸せですよね。