私のチューバとの出会い

ブー・ブー・プワァー・ピーヒョロロロー♪夕方、中学校や高校のそばを通ると、たまに、吹奏楽部が基礎練習をしている音が聞こえることがありますね。コンクールや発表に向けて練習しているのでしょうか。あの音を聞くと、中学生の頃を思い出します。

私は、中学生の頃に、吹奏楽部に所属していました。当時私が吹きたかった楽器は、花形楽器のサックス。しかーし、顧問から、君はチューバ。男子だから、と告げられました。そう、部員で唯一男子だった私。問答無用、チューバ以外の選択肢は与えられませんでした…

そんなわけで、不本意ながら、低音パートの一員となった中学生の私。もちろん、楽器経験はゼロ。ましてや、チューバという楽器がこの世に存在することすら知りませんでした。だって、歌番組などでも見かけることのない楽器。吹奏楽に詳しければ知っていて当然の楽器かもしれませんが、普通の暮らしを送っていた少年は、その存在すら知らなかった訳です。

■ 目次

チューバはどうして大きいの?

チューバの第一印象。「でかい…、重い…」これにつきます。どうやって持って演奏するの~助けて~って最初は思いました。因みに、チューバの重さをネットで調べたところ、10㎏程だそうで…そりゃ、更にケースに入れて持ち運ぶとなると重いはず。

因みに、管楽器は、管(かん、若しくは、くだ)の長さが長くなればなるほど、その楽器自体の音域も低くなっていきます。例えば、ピッコロやフルートといった、高い音が出る楽器は、ちょうど、小学生の時に使用するソプラノリコーダーの長さ位。一方、サックスや今回ご紹介するチューバになると、管の長さがどんどん長くなり、音域も低くなる、といった仕組み。

そして、単純に長くしていくと、当然のことながら、指が届かなくなるので、管をぐねぐね曲げて楽器を形作る、といった塩梅となっています。チューバは短く見積もっても管の長さが5メートル強の長さがあるというから、びっくりです。


基礎練習について

あくまで私の体験談としてご紹介をさせて頂きます。まずは、金管楽器には、マウスピースという吹き口がついているのですが、それを使っての練習。形は、ちょうど、漏斗(じょうご)のような形。トランペットやトロンボーン、ホルン等の金管楽器には、大きさに差はありますが、まずは、このマウスピースを口にあてがって、唇を震わせられる、ということを習得する必要があります。

練習の手順としては、まず、唇を震わせる感覚を覚えるために、ピースをした指を唇の両端に少し強めに当てて唇をぶるる~、と震わせる練習から。小刻みにうまく震わせられるようになれば、マウスピースだけを使って、同じく唇にあてがい、ぶるる~と震わせます。

入部してからしばらくは、ひたすらこの練習。え、えー、楽器触れないのぉ、って中学生の私は思いましたが、ここは基礎をしっかり。

で、マウスピースでの練習がうまくいったら、音程をつけていきます。唇の震わせる程度で、ドレミファソラシド~♪とできるまで。これまた一苦労。

先輩の監視(!)のもと、ひたすらこの練習。ちっとも楽しくありませんでしたが、先輩も見ているし…でも、この練習・技術を習得すれば、一つの大きな山を越えた、と思っていいと思います。

さぁ、マウスピースでの練習も習得したら、いよいよ、マウスピースを楽器自体にくっつけて音を出します!ぶおー♪音はどうであれ、ああーたのしぃ。練習してきてよかった、って思いました。

金管楽器の指使い

トランペット・ホルン・ユーフォニウム・チューバの指使いは構造上似ています。一方で、トロンボーンは、皆さんも見たことがあると思いますが、指使い、ではなく、管自体を動かして音程を取る楽器。因みに、フルートは金属でできている楽器ですが、分類的には木管楽器です。当時の初恋の人も、木管楽器の…おおっと、昔の思い出がっ

指使い、と聞くと、例えば、リコーダーは穴がたくさん開いているところを指で一つ一つ押さえて…とイメージするかもしれませんが、チューバの場合、押さえる場所(ピストン)は、な、ななんと、三か所。すくなっ(ロータリー式であれば、四か所)

なので、押さえるパターンとしては、そんなに多くありません。じゃあ、どうやってたくさんの音を出すかというと…唇での調整。基礎練習の成果がここで!例えば、何も押さえない状態で、ド・ソ・ド・ミ~(低いほうから高い音へ)と出すことができるんです!

唐突ですが、ラッパのマークの正露丸のコマーシャルのトランペットのメロディ。あれ、指を押さえなくても弾くことができます。

ロングトーン練習は、すべての楽器の基礎!

てなわけで、指使いを先輩に習いながら、ドレミファソラシド~を練習。まずは、音を出すわけですが、ここで最も重要な練習が、ロングトーンの練習。その名の通り、メトロノームなどに合わせて、ドーーーレーーー、と一つ一つの音をしっかり、均等にならすことができるようにひたすら練習。

特に、チューバは、速いフレーズよりも、低音をしっかり支える役割がありますので、ロングトーンの練習は、後々の演奏においても効果的です。


と、ここまで、チューバの存在も知らなかった私が中学校の吹奏楽部に入部して、なんとか音を出すまでの練習の過程をご紹介させていただきました。こうして振り返ると、やはり、基礎練習が重要なんだな、と改めて感じました。どんなに上手な演奏家も、日々の基礎練習は欠かせないはずですし、練習はうそをつかない、ですね。

皆様も、楽器を演奏する楽しみを音楽仲間とともに共有できますように!


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