春になると暖かくなることもあって、気分が高揚します。
4月の歌は、そんな気持ちを表すものが多く、わくわくさせてくれます。
今回は、音楽療法で使用される4月の歌とともに、セッションでの必須アイテムでもある歌詞幕についてお話しします。

歌詞幕とは?


音楽療法のセッションでの必須アイテムですが、一般に知られているわけではないのが「歌詞幕」ではないでしょうか?

歌詞幕とは、模造紙などの大きな紙に歌詞を書いたものです。

歌詞の1番のみを書く場合や、すべての歌詞を書く場合、また、歌詞の一部のみを書く場合があります。

すべての歌詞を書かなければならないという考えを持つ音楽療法士もいらっしゃいますが、歌詞が長い場合、1枚の模造紙に書ききれず、何枚にも渡ってしまったり、字が小さくなってしまったりします。

そういった場合に、1番のみを歌詞幕に書いておいて、2番以降は歌わない、または、音楽療法士が先に歌詞を言っていく、「先読み」という技法を使うこともあります。

そして、歌詞の一部分を書く場合というのは、例えば、その一部分の歌詞から何の曲なのかを当ててもらうゲームに使ったり、よく知られた曲であれば、歌詞全体を書かないことで、歌詞を思い出しながら歌ってもらったりする際に使われます。

そして、歌詞幕は、プログラムの中のすべての曲に対して用意します。

そうすることで、歌詞に自信のない方の参加を促すことができます。

歌詞幕に工夫をすることはメリットなの?デメリットなの?

歌詞幕は、音楽療法士が様々な工夫をして作っていることが多いアイテムです。

ちなみに、私が行っている工夫は、毛筆で書くことと、歌詞を書いたときにできた空白に飾りつけをすること、ロール紙を使うことです。

毛筆で書くことは、特に高齢者には人気があります。
字を大きく書くことが容易にでき、ある程度の太さも表すことができるため、見やすくなるメリットがあります。

また、私にとってのメリットは、マジックなど他の筆記具を使うよりも早く書けることです。

特に音楽療法を始めたばかりのころは、歌詞幕をたくさん用意することになります。
というのも、回数を重ねていくうちに、いつか使った歌詞幕を今回も使おう、という風にすることができていくものなのですが、はじめのうちはその積み重ねがなく、どの曲も、歌詞幕を用意しなければならないことになるからです。

そんな時は早く歌詞幕を用意できるほうがいいですよね。

だから、自分に合った方法で書くことがメリットになりますので、マジックで書くほうが早く書ける人にとっては、そちらがメリットということになります。

そして、ロール紙を使うという点についてなのですが、これには何枚も模造紙を貼ったり切ったりしなくて済むというメリットがあります。

長い歌詞も、1枚の紙に書ききることができて扱いやすいのでお勧めです。

最後に、歌詞幕を飾り付けることについてなのですが、これにはメリットもあればデメリットもあります。

メリットは、歌詞の世界を表現でき、想像することを助けてくれるという点と、話のネタになるという点です。

デメリットは、個人によって歌詞に対する解釈が違っていたり、その曲に関する思い出を想起することの邪魔になる可能性があるという点と、障がい児や小さいどもなどの場合、飾り付けのほうにばかり気持ちが集中してしまうことがある点です。

このことを踏まえると、歌詞幕の飾り付けは、使う場面を考えて、程よく行うのが良さそうです。

4月の歌


4月の歌で私が歌詞幕を工夫しているのは『さくらさくら』です。
この曲の歌詞幕には、切り絵で満開の桜を表現しています。

お花見気分になっていただけたり、お花見に行った時の事を話していただいたりすることができます。

また、童謡『春が来た』も飾り付けるのに向いている曲です。
春が訪れた風景を表現するといいですね。

4月に歌いたい曲に『東京の花売り娘』や 『青い山脈』などの流行歌があります。



このような流行歌は飾り付けには向いておらず、飾り付けするのが難しいと思います。

その曲の象徴とするものは、人によって違います。

『東京の花売り娘』であれば、曲名だけでも「娘」を想像する方もいれば、「花」を想像する方もいるでしょう。

また、歌詞の世界について想像する人がいることはもちろんのこと、この曲を昔の恋人と一緒に聞いた思い出のある方は、昔の恋人のことを思い起こしているかもしれませんし、よく聞いていた時代のことを考えている方もいるでしょう。

そのように考えると、歌詞に多くの要素を含む曲は、飾り付けを避けた方が無難かもしれないですね。

まとめ

1. 歌詞幕は音楽療法のセッションには欠かせないものです。
2. 歌詞幕に工夫することはメリットにもデメリットにもなります。
3. 4月の歌にも、歌詞幕を飾り付けることが向いてる曲と、向いていない曲があり、歌詞の世界をシンプルに表すことができる『さくらさくら』などは向いていますが、流行歌などは難しいです。

歌詞幕は、音楽療法士にとって、財産にもなっていく大切なものです。
用意する大変さはありますが、自分なりの工夫をする事で、セッションを盛り上げる助けにもなってくれますよ。