音楽療法では、季節の歌を使ったプログラムを行うことがよくあります。
では、なぜ音楽療法のプログラムには季節の歌が使われるのでしょうか?
2月の歌を使ったプログラムを例にご説明します。

季節の歌を使うメリット


音楽療法では季節の歌をプログラムに使用することが多々あります。

それはいくつかのメリットがあるからです。

クライエントに季節を感じていただくことができ、季節の話題でコミュニケーションを図ることができます。
また、プログラムの流れも作りやすくなります。

クライエントに季節を感じていただき、季節の話題でコミュニケーションを図ることで、高齢者であれば見当識障害の改善や予防になります。

見当識障害とは、名前や日時、場所などがわからなくなる症状です。

季節を感じていただき、セッション中に何度も四季を感じていただくことで、季節への認識を深めることができます。

子どもの場合であれば、障がいの程度にもよりますが、季節を知るところから始まり、四季が巡っていくことで、自分自身が成長していることを実感してもらうことができます。

そして、プログラムの流れについてですが、これも、季節の曲を使用することでスムーズにセッションを進めやすくなります。

例えば、冬で連想できる曲を何曲か用意したり、2月に関連した曲を何曲か用意したりします。

そういったプログラムであれば、次の曲に移る際に、冬つながりであるとか、2月つながりであるといった説明をすることで、スムーズに曲に入れたり、話題を広げやすかったりします。

これについては、実際のプログラム例で詳しくご説明します。

2月の歌を使ったプログラム


2月の歌を使った高齢者向けのプログラムの例として、
1.『雪』(童謡)
2.『雪山賛歌』(アメリカ民謡)
3.『冬景色』(唱歌)
4.『まめまき』(童謡)
5.『虹と雪のバラード』(歌謡曲)
6.『北国の春』(歌謡曲)
7.『ふるさと』(唱歌)
こういったものを用意したとします。

1~3曲目までは、それぞれ冬が連想できる曲です。
はじめの数曲は、身体を暖める意味でも、あまりインターバルを置かずに次の曲に入るのがおすすめです。

そういった意味で、この3曲については、冬つながりの曲を3曲用意したことを伝えたうえで、1曲目から3曲目まで、特に途中に説明を挟まずに歌唱することも可能でしょう。

3曲が終わったところで、雪にまつわる話や、冬といえば何を連想するか、また、少し歌詞が難しい『冬景色』の歌詞の意味についてディスカッションしてみるのもいいです。

4曲目の『まめまき』は節分に関する曲、5曲目の『虹と雪のバラード』は札幌オリンピックのテーマソングです。



節分、オリンピック共に2月に行われる行事です。

2月に関連した曲ということで、この2曲を選びました。

節分の話題に触れる際は、実際に鬼のお面などを用意するといいですね。
子どもの頃に豆まきをしたかどうかなどを話すことで昔を思い出すことができ、脳の活性化に繋がります。

また、オリンピックに関しても、若い頃に応援していた選手はいるかどうか、自分が打ち込んだスポーツがあるか、札幌五輪の年(1972年)の頃、何をしていたのかなどの質問をすると話が盛り上がりますよ。

6曲目の『北国の春』に入るための流れとしては「冬の歌、寒い季節の曲ばかりをたくさん歌ってきたので、身体が暖まったところで、春の曲を一曲歌ってみましょう。」などと話すことができ、これからの季節に思いを寄せられるような展開にしてみました。



この曲は多くの方が知っている曲でもあるので、おもいきり歌う事ができ、達成感を味わうこともできますよ。

最後の曲は『ふるさと』です。
この曲は、私が音楽療法の最後に歌唱すると決めている曲です。

最後の曲は何でもいいのですが、ゆったりとした曲で、気持ちを落ち着かせることができるという意味でこの曲を選んでいます。

まとめ

1.季節の歌を歌うメリットは、季節を感じていただき、コミュニケーションのきっかけにできることや、プログラムの流れをスムーズにできることです。
2.2月のプログラムには、冬を連想させる曲や、2月に関連した曲を選ぶことで、その季節を実感していただくことができます。

音楽療法のプログラム作りは、苦手な人にとっては難しいことだと思います。
ネタに困ったときには、開催月に合わせた曲を選んで組み合わせることで、流れのあるプログラムを作ることができるのではないでしょうか。

クライエントと一緒に季節を感じ、楽しい時間を共有できるといいですね。