音楽療法に興味を持った方は、どのような人を対象にしたセラピーなのかと気になりますよね。
そして、ご自身や身近な人が病気になった際、効果のあるセラピーがあればいいなと思いませんか?

音楽療法がどのような方を対象としたセラピーなのか、また、特定の病気に対する効果についてご紹介していきます。

音楽療法の対象者とは?

音楽療法の対象となる方は、特に限定されていません。
知的障がいや自閉症などのスペシャルニーズを持つ子どもから、認知症を患うお年寄り、統合失調症の方など、症状も年齢も様々です。

また、一見健康に見える方であっても、心が少し疲れているのだとしたら、音楽療法の対象となります。

そもそも音楽療法はアメリカで始まったセラピーです。
第二次世界大戦中、野戦病院で傷ついた兵士たちのために始まったとされています。

兵士たちは体の傷もさることながら、心にも大きな傷を負っていました。
それを癒すために音楽療法が始まったのです。

その後、さらに研究が進み、様々な病気や症状に対応していけるセラピーとなりました。

知的障がいのある子どもに対しては、身体の使い方を知るためであったり、他者とのコミュニケーションをとるための手助けとなるように音楽療法を行います。

認知症を患う高齢者に対しては、回想法という技法を主に用いながら、昔の歌を歌ったり聴いたりすることで、脳や身体の血流を促し活性化させるために音楽療法を行います。

統合失調症の方に対しては、身体表現を活発にさせたり、達成感を味わってもらうために音楽療法を用います。

また、普段は健康だけれども、少し心が疲れている方に対しては、ストレスの発散を期待して、音楽療法が行われます。

このように、音楽療法は多くの病気や症状に対して行われているセラピーなのです。

自閉症の方に対する音楽療法とその効果


自閉症の子どもに対しても音楽療法は行われます。

自閉症とは、脳の発達や成長に何らかの理由で障がいが起こり、社会性やコミュニケーション能力に障がいや困難が生じたり、こだわりが強くなったりする疾患です。

自閉症は現在のところ、完治する病気ではありませんが、様々な方法で症状の緩和ができるようになってきています。

その治療法の一つが音楽療法です。
自閉症に対する音楽療法は、例えば、社会性やコミュニケーション能力の向上を促すために用いられます。

例えば、太鼓を使ったセッションの中で、セラピストが叩く太鼓のリズムを覚え、それをマネして叩くといったプログラムがあります。

この中で子どもは、太鼓を叩く順番を待つこと、セラピストが叩く太鼓のリズムを集中して覚え、再現すること、アイコンタクトをとることなど様々な課題をこなしていきます。

順番を持つなどのソーシャルスキルを身につけ、音楽を用いてコミュニケーションをとることで、コミュニケーションをとる楽しさや、必要性を学んでいくことができます。

パーキンソン病の方に対する音楽療法とその効果

パーキンソン病とは、40歳以上の方が発症することが多い、進行性の神経変性疾患です。

この病気では、身体の動きが遅く小さくなっていくという症状が現れてくるのですが、それを防ぐために、服薬による治療とリハビリテーションが行われます。

リハビリテーションの際に一部で行われているのが、音楽療法です。

パーキンソン病の患者は、例えば歩く際に、最初の一歩が出にくいという症状が現れることがあります。

これは脳がリズムをとることが難しくなるためだと考えられており、そのリズムを音楽を用いてとってあげることでスムーズに歩くことができたりします。

また、パーキンソン病の患者は、口やのどの機能も低下していくことがあります。

そういった場合にも、リハビリテーションに音楽療法を使用し歌唱活動を行うことで、楽しく口やのどの機能を維持していくことができますよ。

ADHDの方に対する音楽療法とその効果


ADHDの方に対しても音楽療法は効果的です。

ADHDとは、注意欠陥多動性障がいのことを指します。
注意欠陥多動性障がいは、多動性と衝動性・注意力の障害を特徴とする行動の障害です。

この多動性や衝動性といった部分に対して音楽療法でアプローチすることがあります。

例えば、打楽器を用いて、自由に演奏することで発散を促し、徐々に一定の音楽的な秩序の中へと溶け込ませるプログラムがあります。

そうすることにより、日常的な生活の中で起こる問題行動の衝動と音楽活動をリンクさせ、感情をコントロールすることができていくと考えられているのです。

音楽療法を通じて、多動性や衝動性といった症状を抑えられるといった効果が期待できますよ。

まとめ

1.音楽療法は、知的障がいや認知症など、症状も年齢も様々な方が対象です。
2.自閉症の子どもに対する音楽療法は、ソーシャルスキルの獲得やコミュニケーション能力の向上のために役立ちます。
3.パーキンソン病の方に対する音楽療法は、リハビリテーションの一環として音楽療法が行われ、歩行訓練や、口やのどの動きの維持のために役立ちます。
4.ADHDの方に対する音楽療法は、その特徴である多動性や衝動性をコントロールするために役立ちます。

音楽療法は様々な病気や症状に対して用いることができる疾患です。

もしあなたや身近な人が病気になった際、少しでも楽しくその症状を緩和できればうれしいですよね。

そんな時には音楽療法も一つの手段になるのだと、知っておいてくださいね。