音楽療法士の資格に興味を持った時に、やはり気になるのは、資格を取った後のことではないでしょうか?

音楽療法士一種資格を取れば仕事ができるのか、他にどんな資格を持っているといいのかをご紹介します。

■ 目次

音楽療法士の仕事の実際

私は、音楽療法士一種の資格を持っています。
4年制大学に設けられた、音楽療法士を育成するカリキュラムを学び取得しました。

音楽療法士一種資格というのは、4年制大学で決められたカリキュラムを学ぶことで取得できます。
試験などはありません。

では、音楽療法士一種資格を持っていることで、実際に仕事に就くことはできるのでしょうか?

残念ながら、音楽療法士一種資格を持っているからといって、必ず音楽療法士として就職できるわけではありません。
音楽療法士の正規職員としての求人はとても少ないからです。

また、音楽療法士の仕事は医師や看護師のように業務独占資格と呼ばれる仕事でも、理学療法士や介護福祉士のように名称独占資格と呼ばれる仕事でもありません。

従って、極端に言えば、資格も全くない、独学で短時間、音楽療法を学んだだけの人でもセッションを行うことができるのです。

ただ、音楽療法士一種の資格を持っていることで、就職する際有利になる職場はあります。
それは、現在音楽療法を行なっている施設や病院であるとか、音楽療法を本格的に取り入れようとしている施設や病院などです。

また、数少ないながら、音楽療法士を施設や企業などに派遣するような会社もありますし、フリーランスで音楽療法を行なっている方もいますよ。

音楽療法士と併せて持っているといい資格


音楽療法士一種資格を持っていてもあまり仕事につながらないのであれば、他の資格を併せて持つことを検討してみる価値はあります。

どのような資格を持っていると有利になるかは就職したいと思うところによって違ってきます。

例えば、病院であれば医療系の資格や介護福祉士です。
医療系の資格で音楽療法に関連する資格は精神科医や理学療法士、作業療法士などです。
しかし、これらの資格は、音楽療法士一種資格を取るための大学以外に、さらに専門学校や大学などを卒業する必要がありますので、あまり現実的ではないかもしれません。


先ほども例にあげたように、医師や理学療法士・作業療法士は業務独占資格や名称独占資格で、その資格がないとその仕事ができません。
ですので、医師免許や理学療法士資格などを取得した上で、音楽療法を勉強して実践するといいのではないでしょうか。

ちなみに、音楽療法士の資格には、一種資格の他に認定音楽療法士という資格もあります。
こちらの資格は実務経験と定められた講習の受講、その後の試験に合格することで取得できる資格です。

この資格であれば医療系職の資格を取得したのちに、学校などで学ばなくても、音楽療法士として働くチャンスを得ることができます。

介護福祉士については、病院以外にも、高齢者施設で活かすことができますよ。
高齢者施設では、音楽療法を取り入れる施設が増えています。
そういったところに就職する際に重宝されるのが介護福祉士です。

介護福祉士については、専門学校などでも取れる資格ですが、実務経験を積むことで受験資格を得られる試験に合格すれば取得できる資格でもあります。

大学にて音楽療法士一種資格を得た後、高齢者施設などで働き、介護福祉士資格を取るための実務経験を積み、試験を受けるというのも一つの方法です。

実際、私は大学にて音楽療法士一種資格を取得した後、介護系の資格がないまま、デイサービスでの勤務を始めました。
その際には、音楽療法士の資格が役に立ち、後の転職の際には介護福祉士の資格が役に立った形でした。

そして、音楽療法士が活躍できる場所には、子どもに関する施設などもあります。
そういった施設では、教員免許や保育士資格を持っていると有利でしょう。

音楽療法を学べる大学では、教員免許を取得するカリキュラムを同時に学べる大学もあります。
そのような大学で教員免許や保育士資格を取得するか、保育士資格に関しては、大学などで学ばなくても、資格試験を受けることができますので、試験に合格すれば資格取得可能ですよ。

ボランティアとしての音楽療法士


音楽療法をボランティアとして行う方もいます。
高齢者施設などにレクリエーションの一環で提供しているのです。

ボランティアで音楽療法が行われる理由は、ただ単純に、音楽療法を楽しんでもらいたいというものから、音楽療法がまだまだ世間に浸透しておらず、その効果などがわからないため、有償では行えないからとか、活動の場がない音楽療法士が、音楽療法を行う場所としてボランティアで施設を伺うといった理由など様々です。

ボランティアとしてなら、受け入れてくれる施設もたくさんあります。
音楽療法の経験を積むためには、ボランティアとしてセッションを行ってみるのもいいかもしれませんね。

まとめ

1.音楽療法士の正規職員の求人はとても少ないです。何か他の資格を持っていると、就職に有利です。
2.音楽療法士の他に持っているといい資格は、医療系の資格や介護福祉士、保育士などです。
3.ボランティアとしても音楽療法士が活躍しています。自身の経験のためにも、ボランティアとして施設を訪れるのもいいですよ。

音楽療法士の資格は、他の資格と併せ持つことで、活かせる資格となっているのが現状です。
自分の知識を深めるためにも、その知識を音楽療法に活かすためにも、他の資格を持っているといいですよね。


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