クラシックをメインにしたアニメ映画はたくさんありますが、今日はその中でも人気の高い「名探偵コナン 戦慄の楽譜(フルスコア)」で使用された曲を全て解説付きで教えちゃいます!!

このコナン映画は殺人現場に残されたフルートをメッセージとして、いつものようにコナンが事件を解決していきますが、クラシックホールのこけら落としのコンサートに向けて準備中の音楽家の回りで事件が起こっていくため、クラシック曲がふんだんに使われています。




■ 目次

ベートーヴェン チェロ・ソナタ第3番 イ長調 Op.69

映画冒頭のシーンで使われていた曲です。

ベートーヴェンの室内楽の中でもひときわ美しい曲。
ピアノソナタ「熱情」や、ダダダダーンで有名な交響曲第5番などが作曲された、いわゆる「傑作の森」と呼ばれるベートーベンの名作がたくさん生まれた時期に作られた曲のひとつです。

サントラ盤で是非ともゆっくり耳を傾けてほしい1曲!!

バッハ トッカータとフーガ ニ短調 BWV 565

堂本ホールにて堂本氏がパイプオルガンで弾いていた曲です。
これから起きる惨劇を暗示するかのように、劇中前半でけっこう長く尺を取ってます。

トッカータというのは鍵盤楽器の速いパッセージを即興的かつ技巧的な曲のこと。
また、フーガというのは同じ旋律が次々に現れる曲のことです。

このバッハのトッカータとフーガはあまりに有名ですね。


シューベルト アヴェ・マリア

「ア~ヴェ~マリ~ィヤ~」で始まる有名なアヴェマリア。

アヴェ・マリアという曲はシューベルト以外にもこの映画の中で使われているグノーをはじめ、リスト、モーツァルト、ブラームスなど沢山の作曲家が作っています。

グノー アヴェ・マリア

リハーサルで秋葉玲子が歌っていた曲です。

こちらのアヴェ・マリアはシャルル・グノーがヨハン・ゼバスティアン・バッハの平均律クラヴィーア曲集第1巻の前奏曲第1番ハ長調を伴奏に歌詞を付けた声楽曲です。

バッハ 主よ、人の望みの喜びよ

コンサートで千草ららが堂本氏のパイプオルガンを伴奏に歌っている曲です。
卒業式などでもよく使われる有名な曲ですね。

この曲は、ヨハン・ゼバスティアン・バッハが1723年に主の母マリア訪問の祝日のために作曲したと推測される教会カンタータです。
全10曲からなる「心と口と行いと生活で」BVW147という教会カンタータの中の第6曲と第10曲に登場します。

ヘンデル オラトリオ「メサイア」~彼は羊の群れを養い

堂本ホールの柱が次々と爆破される中、コナンや秋庭玲子達がヘリコプターで駆けつける最中に会場内で千草ららが歌っていた曲です。

ヘンデル作曲のオラトリオ「メサイヤ」の中の1曲です。
宗教的な作品であり、題名の「メサイア」はメシア(救世主)からきています。
「メサイヤ」の中には「♪ハーレルヤッ」で有名なハレルヤもあります。

ヴィターリ シャコンヌ ト短調

堂本氏の調律師であった譜和匠が狙撃され懺悔するシーンで使われた曲です。

シャコンヌというは昔の3拍子の舞曲の一つで、これもアヴェ・マリア同様、多くの作曲家の作品があります。
ですが、「シャコンヌ」といえばバッハかヴィターリかというぐらいヴァイオリン界では名曲中の名曲です。

個人的にこの映画の中で使用された曲の中では一番好きな曲です!
心がぎゅーっと締め付けられるような切なくも情熱的なヴァイオリンのメロディー。
あぁもう溜まりません!

これも是非ともサントラ盤などで聴いてほしい!

ジョン・ニュートン アメージング・グレイス

相馬光が大好きだった曲として登場。
秋庭怜子が相馬光を思い出す回想シーンや、コンサートで秋庭怜子が歌う場面に使われています。

映画の中で歌っている声は声優さんではなく、本物のソプラノ歌手 赤池優さんです。
アニメを見ているのに本当のコンサートに来ているのかと錯覚してしまうほどの聴く人を惹き込む歌唱力・・・。

うーん圧巻です!!


まとめ

クラシックファンでなくとも、このコナンの映画をきっかけにしてクラシックにのめり込んでしまいそうなほど素敵な曲ばかりが使われている「戦慄の楽譜」。
この映画を観たらクラシックに興味のなかった人も「コンサートに行ってみたい!」と思ってしまいそうですね。

ちなみに、今回の映画での登場人物には全員の名前のどこかに音名が入っています。
秋庭怜子(あきばレいこ)
堂本一揮(ドうもとかずき)
堂本弦也(ドうもとげんや)
譜和匠(フワ(←ファ)たくみ)
千草らら(ちぐさララ)
山根紫音(やまねシおん)
河辺奏子(かわべソうこ)
相馬光(ソうまひかる)
連城岳彦(レんじょうたけひこ)
水口洋介(ミずぐちようすけ)
志田治(シだおさむ)
曽根久男(ソねひさお)
ハンス・ミュラー(はんす・ミゅらー)

映画のタイトルである「戦慄」は「旋律」とかけています。

ちょっとした心憎い演出も良いですね。

子供だけでなく、大人も楽しめるコナン映画。
今回はクラシック音楽映画と言ってもいいくらいクラシックを楽しめる仕上がりになっていますね!


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