障がいを持つ子どもに対して何か有効なことをしたいと思った時に、音楽を使って楽しく何かができればいいと思ったことはありませんか?

でも、音楽を使うってどうすればいいんだろう?音楽療法やリトミックなどがあるみたいだけれど、どう違うのかな?

そんな疑問を持つ方に、音楽療法が障がい児にもたらす効果や、リトミックとの違いについてご紹介したいと思います。

音楽療法が効果的に働く障がいの種類とは?

音楽療法の対象となる障害は多岐にわたります。

身体障がい、知的障がい、学習障がい、自閉症、アスペルガー症候群、脳性麻痺、ダウン症などです。

また、日常生活全般に特別なサポートが必要な子どもから、普通学級に通い、健常児と同じような生活を送ることができるような、障がいの程度が軽度の子どもまでが対象となります。

ただ、障がいの種類によっては、音に対して非常に敏感に反応してしまう子どももいます。
どんな音に対しても耳をふさいでしまう、音を不快に感じてしまう、そのような子どもに対して、音楽療法を選ぶ必要はないでしょう。

音楽が苦痛になってしまっては意味がありません。
スペシャルニーズを持つ子どものためのプログラムはたくさんあります。
その子に合ったプログラムを準備してあげてください。

リトミックってなに?音楽療法との違いは?


リトミックと音楽療法は同じものだと思われがちです。
共通する部分はもちろんありますが、やはり異なるものです。

リトミックとは「ダルクローズ音楽教育法」とも言われるもので、その名の通り、音楽教育の一種です。

音楽に合わせて身体を動かしながら、音楽の基本を学んでいくのがリトミックになります。

一方、音楽療法は、心身機能の維持改善、QOL(=生活の質)の向上、問題となる行動の変容に向けて、治療者が意図的、計画的に行う音楽活動です。
決して、音楽を学ぶために行うものではなく、社会的なスキルなどを身に着けるために行うものなのです。

障がい児に対して音楽療法を行うとどんな効果があるの?

障がい児に対する音楽療法の効果は様々なものがあります。
例えば、手や足を動かすことに制限がある子どもに対しては、いろいろな楽器を使うことによって身体機能を向上させる効果などを期待します。

言葉にハンディキャップのある子どもに対しては、歌うことや、音楽に合わせて身体を動かすことで、発語を促したり、ジェスチャーなどで意思を伝達する能力を向上させる効果などを期待します。

また、集団での行動が苦手な子どもに対しては、注意力や集中力を高め、順番を守ったり、相手のことを考えたりというソーシャルスキルを身に着ける効果などを期待します。

また、スペシャルニーズがある子どもたちは、自分の評価が実際よりも低くなってしまったり、自分を表現することをためらいがちだったりします。
そういった子どもたちが、音楽活動を通じて、成功体験や満足感を得て、自分を表現していくことができるように促していきます。

音楽療法ではどんなことをするの?


子どもの音楽療法は比較的少人数のグループまたは個人で行われることが多いです。

また、普段は個人でセッションを行い、数回に1回は集団の中に入ってセッションを行うということもあります。
個人の音楽療法では、歌を歌ったり、セラピストが演奏する音楽を聴いたり、それを模倣して自分が演奏したりします。
歌を歌うことで、発語や発声を促します。

セラピストの演奏をまねしてもらうという行為は、まず、セラピストがどのように演奏するのかを注意して聴いてもらう必要があります。
次にそれを自分で表現する必要があります。

その過程の中で、注意力や表現力を身に着けることができるのです。

また、集団での音楽療法では、行うことは個人の音楽療法と同じでも、楽器の種類が増えたり、他の子どもが一緒にセッションに参加していることに違いがでてきます。

集団での音楽療法は、より社会性が身につくようなプログラムになっています。

自分が使う楽器を選んだり、他の子どもが使っていれば順番待ちをしたり、譲ってあげたりする必要もあります。

セッションの中で、社会の中にもあるルールを知り、そのルールを守っていくということを、楽しく自然に身に着けることができますよ。

まとめ

  1. 音楽療法の効果が期待できる障がいの種類は様々ですが、基本的には、音が苦手だという子ども以外は、その対象となります。
  2. リトミックとは音楽の基本を学ぶ教育法の一種であり、ソーシャルスキルなどを得るために行う音楽療法とは異なるものです。
  3. 音楽療法を行うことで期待できる効果は、社会性を身に着けたり、発声や発語を促したり、集中力や注意力、表現力を磨くことができます。
  4. 音楽療法では、歌を歌ったり、楽器を演奏したりといった、本人の発達に合わせたプログラムが用意されていて、それに沿ってセッションが行われます。
障がいがある子も、そうでない子も、成長の過程で身につけなければいけないことは数多くありますよね。それを音楽活動を通して自然に身につけることができるのが音楽療法です。

音楽を楽しみながら、子どもの発達が促せるといいですよね。