「あ、何だか今無性に切なくて泣ける曲が弾きたいなぁ…」

ふと思う時、ありませんか?

「癒されたい(口癖です(笑))!」

何となく物悲しいというか、寂しいというか、人肌恋しいというか…
足早に過行く毎日に、ちょっと嫌気がさしてきたり…

あ~なんだか私、ちょっと病んでるかも…

「やっぱり癒されたい(口癖だから許してね(笑))!」

「悲しい時」「寂しい時」「切ない時」
心にささやかな癒しが欲しい…そんな時。

「超ずぼらピアニスト&楽曲アレンジャー」の私がお勧めする、名曲がこちら。

ショパン ノクターン20番(夜想曲嬰ハ短調「遺作」)

超ずぼらな私でも面倒くさがらずに練習できる、短めで楽譜も見やすいとても弾きやすい曲なので重宝している一曲です。

それでいて繊細で、弾けば弾くほど深みを増していく…弾きやすいのにカッコイイ!!

こんなにおいしい曲、なかなか他にはないのでお勧めですよ!

さぁみなさん、さっそくこの名曲にチャレンジして心も体もたっぷりと癒されましょう!

難易度は?



何とも美しく、哀愁を帯びた名曲ですよね!
めちゃくちゃ泣けるし癒される~!!

とにかくこの曲をコンサートで初めて聞いたときはとても感動して、帰りにその足で楽譜を買いに楽器店に駆け込んだ思い出があります!
教えている生徒さんにも大変人気で、5分以内に収まるとても聞きやすいサイズなのでちょっとしたコンサートやコンクールの自由曲にこのショパンノクターン20番(夜想曲嬰ハ短調「遺作」)を選ぶ方も多いです。

私自身も、しっとりとした夜のコンサートの泣かせたいアンコール時なんかによく使います。

音の並びとしてはそんなに多くなく取りやすいのですので中上級レベルですが、弾き込み方次第では上級レベルに変化しますよ!

自分らしい表現をできるようになるまでには弾き込みに少々時間はかかりますが、早めに読譜を完了させて弾き込む時間を多くとれるかどうかがこの曲を習得する為のカギになってくるので、まずは当たり前ですが基本を大切に練習していきましょう!

テーマ別に分けて全体の流れを把握しよう


練習に入るときに、やりがちなのが「とりあえず頭から弾いていく」やり方。
ただただ、がむしゃらに、回数を多くして、とにかく長い時間弾いて…!!

これ、間違いではないのですが、ものすごく面倒くさい練習法なんです。

頭から弾いてちょこっちょずつ進んで、また頭に戻って…今まで何をしていたのか忘れてしまい、また状況を把握しなおしてから引き直して…。

二の足を踏むもったいない時間を過ごしてしまうことになりかねません!
あぁ、時間がもったいない、めちゃくちゃ面倒くさい!

時間のない人ほど実践していただきたいのが、まずは曲全体を一つのテーマごとに分けてしまう方法。
国語の学習で行ったら、段落ごと(懐かしい!)に分けることと同じですね!

全体をイントロ,A,B,C等の記号で分けてしまいましょう。
全く同じ部分があれば、その箇所は同じアルファベット表記にします。
こうすると無駄に練習することを防げます。

全く同じではないけれど、大体似ている部分には「´(ダッシュ)」を用いて表記すると、ほぼ同じ形で大きく違うわけではないが、少々元のメロディラインと変わっているから注意!の意味にもなります。

曲の流れにとらわれずどの箇所も均等に練習する。
そうすることで、「曲の頭の方はうまく弾けるんだけど、後半がちょっとね~」
という事態を避けることができます。

以前私が大学でレッスンを受けていたころ、先生に「ピアノソロ、ましてやクラシックにイントロ(前奏)なんて分け方はない!Aから分けなさい」と言われ、
「だってここ、イントロにしか聞こえないもん。」
と反抗しこっぴどく叱られた苦い思い出があるのですが、ずっと疑問を持っていました。

自分でレッスンを始めてからは生徒からは「イントロにあたる部分はイントロと分けてもらったほうが、わかりやすい」という声を何度も聞いたので、思い切ってイントロと書きましょう!!

イントロ(1~4小節目)
もちろん、この曲の始まりの部分です。
ここをAにしてしまうと後がわかりにくくなり、厄介です。

A(4小節目~19小節目)動画00:42~01:36
この曲を支える、テーマのような部分。

B(20小節目~33小節目)動画01:37~02:15
ちょっとだけ明るくなり、希望がさす部分。

C(34小節目~45小節目)動画02:16~02:44
明るさと暗さが入り混じる、Aへ戻ることを予感させる部分。

A´(46小節目~56小節目)動画02:45~03:19
さらにテーマを繰り返す部分。

D(57小節目~最後)動画03:20~最後
曲の終わりに向かい、細かな連符を用いてあるとても繊細で一番根気のいる部分。

まずはこの5つに、大まかに振り分けましょう。

どうでしょう、何も書き込まなかった楽譜よりも全体を見渡してもとてもスッキリするし、今後の練習の見通しも立てやすくなったでしょう!?

私は必ず新曲をレッスンする時に予め本人に分けさせて、今後の練習スケジュールを組ませます。
(何週間で、Aの習得、何週間でBの習得…全体を2か月で音取り完了させて、あとは1か月弾き込み等)

「面倒くさがり」な人ほど工程を明確にする為にこの作業に時間をかけてくださいね!

連符は一目でわかるように左手に割り振ろう


「八分音符2個に対して16分音符は2個…あれ!?入らない!?先生の嘘つき!」
私が生徒さんによく言われる言葉です。ウソではありません。確かに、連符だと5個や6個、説明つかないところもありますね…

そしてその箇所に来るたびに「ひっかかる」「止まる」「あきらめる」
面倒くさいことするなぁ、気が長いんだろうなぁ…
(面倒くさがりで短気な私にはとても考えられない作業(笑))

いちいち悩まなくていいように、おおまかに左手に連符を割り振って、一目でわかるように楽譜に書き込んでしまいましょう!
(※以下、私個人のやり方なのでご参考程度にお願いいたします。)


例えばこのDの58小節目(動画03:20~)、三拍目からの右手は八分音符4個に対して18個の音が入っています。
18割4は、4.5!と、くれぐれも胸を張って言わないようにしてくださいね!
音楽は、数学ではないのでそんなに細かい部分に音を入れるなんて不可能です。
音楽に正確な答えが出ることは、ほぼありませんので悪しからず…。

大体でいいので、弾いた時のバランスを考えて左手の音符に入れ込んでいきます。
この時、大体の目安となるのは成るべく上行形と、下行系で分け、それぞれを前の音が少なめ、後の音に多めに入れていくと自然な流れになります!

Dの59小節目(動画03:23~)


少々強引な気もしますが、一目でわかるように書き換えるのが原則なのでとにかく書きましょう。見やすくすることが先決です。

正直なことを言うと、本当はこんな考え方はしないものなのです。
理論上、「一つの音に、いくつ入れて」と決めてしまうことはできないんです。

でも、いいじゃないですか。分からないことや弾けないことの方が問題ですからね!
速いパッセージで弾くので全く問題なく聞こえてきますので安心してくださいね!

左手は和音(コード)化してしまおう


「右手はメロディだからすぐに覚えられるんですが、左手は全然ダメなんですよね~音がたくさんで覚えられない」

これもまた生徒さんからよく聞く言葉。
これ、私思うんですよ…
「一音一音覚える気なの!?めちゃくちゃ面倒くさい!いや、逆にすごい!」
って。

譜読みが早いか遅いかを考えるとき、重要になってくるのは
「パターン化されているところに気付けるか」です。
同じ形式が続くところを探していくとどんな曲にも必ず出てきます。

この曲の場合、左手は大体「分散和音」でできています。
例えば


5小節目(00:42~)
1,2拍目は音から推測すると、「ド♯ミソ♯」の和音(Cm)
3,4拍目は「ファ♯ラドレ」がCの音の上にある(F#m6/C)

6小節目(00:46~)
1,2拍、3,4拍ともにド♯ミソ♯(Cm)

元々は和音を基本にしてできていることに気づきましたか?
一度和音(わかる人はコードネームの方が簡素)に直してから分散させたものだと理解してから左手を取り始めるととても楽になりますよ!

一小節8個の音を覚えるより、2つの和音(コード)で覚えた方が耳に残りやすいし、何より楽ですもんね!

和音(コード)にできる場所は、和音にしてしまいましょう。

面倒くさいことはなしにして、楽しましょう!!

アーティキュレーションは少々大げさに


「ねぇ、ここのフォルテはもう少し感情が込み上げてくる感じで演奏できない?全然感じられないよ~。」
「先生、私やってるつもりなんですが…。」

よくあるんです、この会話。
特に演奏会なんかで聞いていて、「あれ~いつもはもっといい感じで強弱が出ているのに今日はイマイチだったなぁ。」と思うこともしばしばあります。

本人はやっているつもりだったのですが、広いホールではなかなか伝わりにくいもの。

案外自分が思っていることって、相手にはそれほど伝わってなかったりするんです。

せっかく弾くのなら、大げさに表現してみましょう!どんどん大げさにアピールしていかないとその気持ち、伝わりませんよ!

音が上行していくとき、気持ちも膨らむ感じがしませんか?
その時はクレッシェンドして膨らむイメージをもって演奏してみましょう。

反対に、下行していくときは気持ちも穏やかに落ち着いていく感じがしませんか?
その時は、デクレッシェンドしていき閉じていくイメージをもって演奏します。

もちろん表記してある楽語や強弱記号の通りに表情を付けていくことも大切ですが、それ以外の何も表記をされていない細部にも自分なりのこだわりを持って演奏できると、自分らしいワンランク上の演奏になるので楽しいですよね!

何度も言いますが、アーティキュレーションは大げさすぎるくらいに表現することが大切ですので忘れずに!

まとめ

1.難易度は中上級程度(弾き込み方次第では上級に!)。
2.テーマ別に分けて見やすくして全体の流れを把握する。
3.連符は一目でわかるように左手に割り振る。
4.左手は和音(コード)化することで、覚えやすくする。
5.アーティキュレーションは少々大げさに

ワンランク上の演奏に近づくには、基本で手を抜かないことが大切です。
ぜひ実践してみてくださいね。