吹奏楽とオーケストラの違い、あなたは知っていますか?

コンサートに呼ばれたときなどに間違ってしまうと恥ずかしいですよね。
部活動やサークルを選ぶときに違いがわからなくて困ったという人もいると思います。
チェロが弾きたいのに吹奏楽に入ってしまった、サックスが吹きたいのにオーケストラに来てしまった、なんてことになったら大変です。

そこで今回は、10年間アマチュアでオーケストラをやっている私が、吹奏楽とオーケストラの違いをわかりやすくお教えします!
ぜひ覚えていってくださいね。

ちなみに、ここでいうオーケストラとは管弦楽のことです。

■ 目次

吹奏楽にないものとは?


私はオーケストラなのに吹奏楽と間違われてしまうことが多いんですが、その理由は簡単です。
日本の中学高校にはほとんど必ず吹奏楽部があるからです!

吹奏楽とは文字通り、吹いて奏でる楽器、つまり木管・金管楽器に打楽器を加えた編成での合奏を指します。
基本的に、木管にフルート、クラリネット、オーボエ、ファゴット、サクソフォーン、金管にトランペット、ホルン、ユーフォニアム、トロンボーン、チューバがいます。

言い換えれば、バイオリンなどの弦楽器がいないオーケストラですね!

ただし、「弦バス」と呼ばれるコントラバスもよくいます。
演奏者よりも背が高い、あの大きい弦楽器のことです。
コントラバスがいると低音部が表現豊かになるんだとか!

オーケストラにない楽器!?

基本的に、オーケストラには弦・管・打楽器がそろっています。
でも、吹奏楽にいてオーケストラにいない楽器というものもあるんです!

その主な例がサクソフォーンとユーフォニアム。


どちらも19世紀前半に考案された楽器なんだそう。
だからそれ以前の作曲家たち、例えばベートーヴェンやシューベルトは、それらの楽器を知ることはなく、当然その楽器を含んだ編成の曲は書かれませんでした。
また、ユーフォニアムに関しては、オーケストラの中では音域が近いチューバで事足りるため、必要とされることが少なかったのだとも言われます。

しかし、時々それらの楽器がオーケストラに登場することもあるんです!

例えばサクソフォーンは、ガーシュウィン『パリのアメリカ人』や、ビゼーの組曲『アルルの女』で活躍しています。
ユーフォニアムは、ホルストの組曲『惑星』や、ムソルグスキーの組曲『展覧会の絵』に出てきますよ。
興味があればぜひチェックしてみてください。

どんな曲を演奏する?


実は、演奏曲にも大きな違いがあります。

吹奏楽は、吹奏楽曲、クラシック曲のアレンジ、ポップス、ジャズ、映画音楽などが主流です。

どちらかというと親しみやすい曲が主流ですね!
文化祭などで吹奏楽のノリノリの演奏を聴いたことがある人も多いと思います。
吹奏楽は昔、軍隊の号令やマーチに用いられていたので、その音量を生かせる曲に向いているようです。


一方、オーケストラはクラシック曲が定番で、たまに映画音楽も演奏します。

吹奏楽を楽しむ文化が定着するより前から、オーケストラの演奏会は存在していました。
だから、クラシック曲はオーケストラのために書かれたものが多いんですね。
交響曲や管弦楽曲と呼ばれるジャンルがその代表です。


どちらにもいる管楽器


吹奏楽にもオーケストラにも管楽器がいますが、実は役割が違います。
ご存知でしたか?

吹奏楽でクラシック曲をアレンジして演奏するときは、バイオリンの担当部分を同じ高音域のクラリネットやフルートが吹きます。
オーケストラのバイオリンは一番人数が多いパートなので、管楽器も5人で一つのパートを演奏するなど、人数が必要になります。

ところがオーケストラの管楽器は多くの場合、1人1パート担当です。
これは、メロディーを担当する弦楽器の音量に対して、管楽器がちょうどいい音量になるよう編成されているからです。
1パートあたりの人数は曲や作曲家によって異なります。

ただし時々、コンサートホールが大きいからとか、迫力を出したいから、といった理由で「倍管(ばいかん)」にすることもあります。
これは、指定の人数の2倍を1パートに割り当てることです。

まとめ


吹奏楽とオーケストラの違いは…

1. 吹奏楽にはコントラバス以外の弦楽器がいない
2. オーケストラにはサクソフォーンやユーフォニアムがいない
3. 吹奏楽はポップス寄り、オーケストラはクラシック寄りの曲が多い
4. 管楽器は吹奏楽では合奏、オーケストラではソロを担当する

機会があればコンサートに行って、この違いを実感してみてくださいね!
学生のみなさんも、ぜひ部活選びの参考にしてください!


 オーケストラ曲の記事一覧