フルートを習い始めて数ヶ月。ほとんどの音の運指を覚え、ロングトーンも問題なくできるくらいのレベルになって、次に憧れるのが、「ビブラート」ではないでしょうか。

ただ音を伸ばすだけより、ビブラートをかけて少し振動したような音のほうが綺麗に聞こえて「フルートをうまく吹ける人」の象徴のような気がしてかっこいいですよね。

でも、実際にやろうとすると、始めの頃はどうやっていいのかわかりません。私も、「なんであんなに綺麗に音が震えるんだろう?」と謎でした。

そこでこの記事では、初心者の方がビブラートをかけるためにどうやって練習したらいいか、紹介します。

インターネットで調べてみると、ビブラートの方法には何種類か方法があるようです。初めての方は、どの方法が正しいのか迷うと思います。ビブラートをかける部分は、お腹なのか、胸なのか、喉なのか、分かりにくいです。

ちまたでは、大まかに「喉でかける」方法と、「お腹でかける」方法の2種類が一般的とされているようです。

■ 目次

喉でビブラートをかける、という考え

こちらの考えに至る理由は、お腹を使ってビブラートをつけようとすると、大きなうねりのあるビブラートになりすぎる、イントネーションが強くなりすぎるという問題が出てくるからです。

ビブラートに一定のうねり(周波数)を持たせるための練習として、お腹をつかったビブラートをするのは正しいです。

そのあと、その周波的な振動をお腹から「胸」や「喉」に移行していくことで、より綺麗なビブラートが可能という考え方があります。

腹式呼吸なしで喉だけで響きのないビブラートをかける「ちりめんビブラート」というのは正しくありません。
喉で行うにしても、基本は腹式呼吸です。


お腹でビブラートをかける、という考え

私がフルート教室の先生から習ったのはこちらの方法です。喉でビブラートをかけるにしても、お腹の使い方が大切という意見は外せないので、まずはこちらで練習するのがよいと思います。

お腹でビブラートをかける方法

それでは、私が先生に習った方法をもとに、やり方をお伝えします。

⑴ まずは、ビブラートなしのまっすぐした音でロングトーンの練習をする。

⑵ 次に、メトロノームを60くらいのテンポに合わせて、1拍ずつタンギングなしのアクセントをつける。お腹を使いながら息を押し出して、アクセントをつけるように吹く。タンギングなしのアクセントができるようになれば、波のような自然なアクセントをつけられるようにする。

⑶ ゆるやかな波のイメージで吹けるようになったら、1拍に2つ、つまり八分音符そして、3連符まで音が続けられるように練習する。

あとは、少しずつ音の振動(波)の速さを上げていきます。速くしていく段階でアクセントのようになってしまったら、スピードを落としてみるとよいです。

こちらの動画では、お腹を使ってビブラートを行う方法を一つずつ分かりやすく解説しています。


ビブラートをかける上で注意すること

注意することは、伸ばしている音の音量や音色をできるだけ一定にすることです。これが一番難しいとは思いますが。基本は、ロングトーンの練習です。自分の音を録音して聴いてみるのもよい方法だと思います。

また、ビブラートは、ただすればいいというものではなく、曲想に合わせてやらないと意味がありません。曲のフレーズ感をとらえて、遅くてもしっかり曲調とあるビブラートをかけることで、演奏の魅力が引き出されます。


まとめ

1. ビブラートには、大まかに分けると、喉で行う方法と、お腹で行う方法がある。
2. 基本的にはお腹でビブラートをかける
メトロノームに合わせてロングトーンをしながらタンギングなしでアクセントをつけるように吹く。できるようになったら、そのアクセントを細かくしていく。
3. 伸ばしている音の音量や音色をできるだけ一定にする。
4. 曲想に合わせて行う。

きれいな音色を出すためには、「いい音を聴く」ことが大切です。コンサートなど生演奏を聴けるのが一番よいですが、YouTubeやCDなどを使ってプロの演奏を聴くのもいいと思います。

そして、基本的なビブラートができるようになったら、どうすればそれが美しくなるか探っていくことも必要です。かなり奥が深いですね。

フレーズのどこに、どれくらいの速さのビブラートをかけるときれいになるか。難しいですが、これができるようになれば、かなり表現力の幅が広がります。

ぜひ、ビブラートのやり方をつかみ、美しい曲を演奏できるよう練習していきましょう。


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