楽器を習い始めて、新しい自分の楽器を手にしたところで欠かせないのが、「楽器の手入れ」ですよね。

フルートって、キーがたくさんあって、変なところを押したら壊れないか心配だし、組み立てたり片付けたりするときも、変に動かして傷がつかないか不安になる方も多いと思います。

そこで、この記事では、フルートを手入れするための方法を、毎日することと、定期的にすることに分けてまとめてみました。

■ 目次

フルートを吹いた後、毎回やるべき手入れ

フルートなどの楽器は、水に弱いです。演奏を終えた後は、管の中に唾液や水滴(特に冬の時期)がたくさんつきます。これを放置すると、金属が変色する原因になったり、細菌が繁殖してしまうことがあります。

そのため、水を拭き取る作業は、演奏を終えるたびにやることが必要となります。

フルートを吹き終わりまずすることが、頭部管、主管、足部管の3つの部位に分解することです。要は、吹く前の状態に戻すということです。

このときに、楽器を斜めにねじると傷がついてしまうので、少し回しながら引っ張るようにしたほうがよいです。


手入れをするときに用意するものは、掃除棒、ガーゼ、ポリシングクロスです。だいたい、楽器を購入したときに付属してくると思います。

はじめに、頭部管から行います。

まず、掃除棒の先端にある穴の中にガーゼの角の部分を少し通します。次に、掃除棒の先端を覆うようにくるくるとガーゼで巻きます。それを、ガーゼで巻いたのと同じ向きに頭部管の中に入れ、中の水分を拭き取ります。

頭部菅の先端には、コルク栓や反射板が入っておりとても繊細です。掃除の際に頭部管の先端を勢いよくつつくと、傷がつく恐れがあるので、優しく水分だけを拭き取ってください。

頭部管の掃除が終わったら、掃除棒を主管、足部管にも通して、水分を拭き取ります。ガーゼで楽器内部の水分を拭き取ったら、ポリシングクロスで楽器の外側を優しく磨きます。

キイに力が入らないように、汗を拭き取り、指紋を取るような感じを意識するとよいです。キイの間から汗などが入ってしまうと、キイがさびついて動かなくなってしまうことがあります。フルートのさびつきや変色を防ぐために、練習後は毎回拭きましょう。

また、ときどきキイの間のホコリが気になるときは、綿棒などでとってください。でも、やりすぎるとキーの細部を触ってしまうことがあるので、ごくたまに、そーっと磨くくらいでよいと思います。

楽器表面のくすみは、シルバーポリッシュなどを使って磨くことができます。しかし、頻繁に使うと、逆に楽器に傷をつけてしまうことがあります。使う場合は注意が必要です。

こちらの動画では、フルートを吹いた後の掃除の仕方を丁寧に解説しています。

タンポが湿っている場合

冬に長時間演奏した後などは、フルートの管内に水滴がたまり、タンポが湿りやすくなります。そんなときに役立つのが、「クリーニングペーパー」です。

タンポとトーンホールの間にクリーニングペーパーを挟み、キイを軽く数回押さえると、水分が除去されます。ペーパーを当てる場所を変えて、2〜3回キイをはさむとよいです。

紙をキーに挟んだときは、キーを閉じたまま紙を引っ張らないように気をつけましょう。

週に1回くらいするお手入れ

トーンホールやキイの周りにこびりついた汚れは、トーンホールクリーナーを使って綺麗にします。トーンホールクリーナーの内部は針金です。掃除しにくい部位は、使いやすいように曲げて掃除することができます。

楽器屋さんでの調整は、半年〜1年に1度をめどに


フルートもピアノなどの楽器と同じで、定期的なメンテナンスが必要です。

フルートを購入してからの1年は特に不安定でタンポも狂いやすくなっています。

趣味で楽器を使っている場合、1年に一度の点検の料金は5000〜20000円くらいが多いと言われています。楽器によってかなり差がありますので、専門のスタッフに楽器を見てもらい、見積もりを出してもらうとよいです。

楽器全てを分解してクリーニングするオーバーホールは5〜8年に一度くらい、大きく手を加える場合は、5万円以上かかることもあります。そのタイミングで、新しい楽器の購入を検討するのもいいかもしれません。

フルートを持ち運ぶときは

楽器は繊細な作りをしており、揺れにとても弱いです。そのため、自転車のカゴに入れたり、楽器を持って走ったりすると、楽器の調整がくるってしまうおそれがあります。

また、車の中など、高温になるところに長時間放置すると、タンポが痛む原因になります。必ず室内に保管するようにしましょう。

まとめ


1. 毎日行う手入れ
 ・掃除棒にガーゼを巻きつけたものを頭部管に入れ、水分を拭き取る。
 ・主管、足部管も同じようにガーゼで掃除する。
 ・そのあと、楽器表面の汚れをポリッシングクロスで拭き取る。
2. タンポが湿っていれば、クリーニングペーパーで拭き取る。
3. トーンホールやキイの周りの汚れは、トーンホールクリーナーで綺麗にする。
4. 楽器屋さんで半年〜1年に一度、メンテナンスをしてもらう。

せっかく高いお金を出して買った楽器は長く使いたいですよね。
大切なのは、使い終わったあと、必要なメンテナンスをしっかり行うことです。

毎回のことだからはじめは少しめんどくさいかもしれません。ですが、歯磨きと同じで、毎回やっていると、めんどくささは軽減します。なにより、愛着が湧いて、さらに楽器を大切にしたくなります。

日々のケアを確実に行い、せっかく買った楽器を長持ちさせましょう。


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