フルートで綺麗な音を奏でたいと思った時に必要なのが、基礎練習ですよね。

曲を吹く練習の方が格段に楽しいのはわかりきっているのですが、スポーツと同じでフルートも基礎を怠ると、どこかで壁にぶつかると言われています。

でも、基礎練習って聞いただけでめんどくさそうだし、単調なイメージがありますよね。

私は、フルートのレッスンに通い始めて何度か教則本を買うように勧められたのですが、本を買うことでお金がかかるのが嫌だったのと、基礎練習はつまらなそうという理由でずっと曲ばかり練習していました。

ですが、何かがきっかけで、レッスンを始めて半年くらい経って、先生にオススメされた教則本を買いました。そして、1回30分レッスンのうち15分弱くらいを教則本のレッスンにあてるようになりました。

すると、教則本の内容によっては、そこまで退屈ではなく、むしろ、練習すべき点が明確に書いてあるので、綺麗な音をつくるという点では面白かったように感じます。

私自身は、曲の練習に加えて、少しでも教則本の練習を取り入れてよかったと感じました。
 
フルートの基礎の吹き方ができないうちに曲ばかり練習すると、無駄なところに力が入ったり、変な癖がついたりして、あとで直すのに苦労することがあると言われています。

今回は、フルートを始めた方に一般的にオススメできる教則本を紹介します。

■ 目次

アルテ

アルテスとも呼ばれます。1〜3巻まで出版されているようです。

ピアノでいる「バイエル教則本」という位置付けで、フルートの教則本を代表する本です。

楽器の修理の仕方など、フルートについて多少マニアックな知識や理論なども含まれています。


ただ、初めてフルートを吹く方にはハードルが高いかもという声もあります。まず、はじめに出す音のキーが高めで初心者には出しにくい音だということ。そして、後半部分は難しいパッセージも含まれていることが理由です。

また、二重奏の形になっているため、レッスンを受けながら使うことが前提となっています。

曲のクオリティーは高いので、今は初心者だけど、専門的にフルートを学んでいきたい方に適した教則本といえそうです。



ソノリテ

「簡単な音型から取り組めるので、初心者にもオススメできる」という声と、「ある程度のレベルを求める方向け」という声、両方あります。

プロの奏者も使っている本というだけあり、こちらも独習は難しめかもしれません。



ケーラー

こちらは、アルテよりも音楽作品としての完成度が高いです。

フルートの美しい旋律を奏でながら、曲の表現を身につけるには最適な教則本です。フルーティストであり、作曲家、教育者であるケーラーの教則本には、勉強になる要素が満載といえます。



ここまでは、外国人作曲家の教則本を紹介しました。これらは、レッスンを受けている方向きであると思います。
ここからは、日本人の先生が作られた、独学でも使える教則本を紹介します。


フルートメソッド(加藤克彦先生 ドレミ楽譜出版社)

黄色と緑の2冊があります。黄色の方が初心者向きです。こちらは、音を出したことのない方から使える、かなり初歩的な教則本です。

二重奏が多くてそのハーモニーも豊かなのでレッスン中に吹いていて楽しめます。

緑の導入編も、楽器初心者向けにわかりやすく書かれています。
どちらも親しみやすい曲が使われているので、楽しく練習できると思います。



フルート教則本(トリム楽譜出版)

初心者が楽器に触れて、そしてある程度のコントロールを身につけるのに適した本になっています。

中に書いてある説明は初心者にわかりやすく書いてあります。この本のいいところは、はじめは少ない運指でも吹ける曲から練習し、本を進めるごとに覚える指使いが少しずつ増えていき、演奏できる音域が広がることです。

ストレスなく運指を覚えられるという点でオススメです。



はじめてのフルート(カワイ出版)

こちらは独学の方でも挑戦できる、かなり初心者向けの教則本です。

上で述べた教則本と同じく、楽に出せる音域の音から練習し徐々に運指を覚えていきながら演奏できる音域が広がっています。趣味でフルートを始める方には適していると思います。
http://www.editionkawai.jp/shopdetail/006005000016/



こちらの動画では、この教則本と、アルテスをオススメする理由を解説しています。


まとめ

オススメのフルート教則本
1. アルテ(アルテス)
フルートの教則本を代表するもの。レッスンを受けている人向け。全くの初心者には少し難しいかもしれないが、専門的な知識を身に付けたい方にオススメ。

2. ソノリテ
プロの奏者も使っている。独習には少し難しめ。

3. ケーラー
美しい曲を弾きながら、音楽の根本的な部分も含めて学習したい方にオススメ。

4. フルートメソッド(加藤克彦先生 ドレミ楽譜出版社)
かなり初歩的。親しみやすい曲が入っている。二重奏のハーモニーが綺麗で演奏していて楽しい。

5. フルート教則本(トリム楽譜出版)
説明がわかりやすい。簡単な曲を演奏しながら段階的に運指を覚えられる。

6.はじめてのフルート(カワイ出版)
独学でも学習できそうな、初心者向けの教則本。5.と同じく、少しずつ運指を覚えて演奏できる曲を増やせるよう工夫してある。


フルートの教則本ってたくさんありすぎて、なかなか選べないですよね。

初心者の方は、先生に相談するのが一番間違いないです。独学で学習されている方は、楽器やさんに足を運び、楽器に詳しいスタッフに相談してみるのもいいと思います。

大切なことは、「自分がどのようにフルートと付き合っていきたいか考える」ことではないかと思います。

ひたすらフルートの名曲を綺麗な音で演奏していくのか、カラオケ伴奏のついたポップス系の曲を楽しんで演奏したいのか、難易度の高い曲と向き合っていきたいのか。

そこを明確にすることで、どの教則本を選ぶべきか方向性が決まるのではないでしょうか。

いずれにしても、一冊購入したらしばらく付き合っていく教則本なので、自分自身が楽しめるものがよいですよね。ぜひ、練習のパートナーとなる一冊を見つけてみてください。


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