小学生の時に母から誕生日プレゼントで買ってもらったフジ子・ヘミングのCDに入っていたことがきっかけで出会った曲でした。

当時、フジ子・ヘミングのドキュメンタリードラマがテレビで放送され、それを母が録画して私に見せてくれました。

当時はまだ小学生で内容をよく理解できていない部分もありましたが、彼女の魅力にだんだん引き込まれていき、そのドラマを何度も何度も繰り返し見たことを覚えています。

それに影響されてか、恥ずかしながら私は高校生になるまで将来の夢は「ピアニストになること」でした。
・・・今は違う道を進んでいますが(笑)

私は高校生の時にピアノから一時離れ、そこから人前でピアノを弾くという機会がほとんどありませんでした。

そこで当時のピアニストになることを夢見ていた自分のためにも、今、この曲をお世話になった人たちが集う場所で披露しようと考えているところです。

きっと大人になって発表会等に出演する機会がなくなったという方は多いのではないでしょうか?
人前で弾くという緊張感は自己の成長に本当につながりますし、何より、発表会という目標ができると俄然やる気が違ってきます。

私も、人前で弾くことを考えるとそれだけで緊張しますし、このままではだめだからもっと練習しなければ!となります。
そして、なによりも自分のピアノを聴いてもらえるということは楽しみでもあります。

発表会に出演するまでじゃなくても、友達が遊びに来たとき、「ちょっと聴いてほしいんだけど」とピアノを聴いてもらうのもよいと思います。
せっかく練習しているのであれば、披露する機会をどんどん見つけてほしい
です!



難易度は?

全音ピアノピースでは難易度はE(上級)となっています。

上級といっても、譜面を読むのに関してはそこまで難しくはありません。
ただ、この曲の美しさを表現するには、年齢と経験を積まないと不可能なのではないかというくらい、深く優しく濃厚な音で演奏しなければならない曲だと思うのです。

そういった意味では難易度がEなのは頷けると思います。

この曲にふさわしい強弱で演奏♪


ドルチェカンタービレの記号がついています。優しく歌うように弾くという意味なのですが、必ずと言っていい程ついているであろう強弱記号がこの曲にはついていないのです。

私はメゾフォルテ程度の強さで弾いていましたが、人によってはピアノで弾く人もいると思いますし、ここは自分が表現しやすい強さで弾いて良いと思います。

強い音で弾くのは違うと思いますが、厚みと温かみがあるような音で弾くように心がけていました。

この曲のタイトルにある「愛」とは、青春時代に生まれた甘酸っぱいものではなく、長い年月をかけてじっくり育んできた濃厚な「愛」の事なのかなと思ったので、そのように弾く方がふさわしいのかなと思いました。

メロディは右手と左手で弾き変えますが、弾き変えていることがわからないように自然にメロディを歌うように弾きましょう。

8分音符は伴奏ですので、主張しすぎないように弾きます。


5小節目の1拍目の左手は一般的にはどんなに手を広げてもなかなか届きませんよね。

しかしここはアルペジオがついているため、少々音を崩して弾くことで、届かない指を上手にカバーすることができます。
しかしあまりに崩しすぎるとリズムがもたついてしまいますので注意しましょう。

また、ファの音はメロディを奏でることになりますので、伴奏のミ♭に気を取られすぎるとメロディが優雅に歌えなくなってしまいますので気をつけましょう。


13小節目からは少し雰囲気が変わります。
更にメロディが複雑に右手左手を行ったり来たりするので、伴奏と混じらないように注意が必要です。

そうならないためにもメロディを存分に歌うことが重要です。


20小節目の1拍目の左手と、2拍目の右手のファについている記号はダブルシャープです。
通常のシャープが半音高く弾くのに対して、ダブルシャープは半音上げて、また更に半音上げて弾くという意味です。

この記号が出てくるたびに、半音上げて更に半音上げた音は・・・と考えながらいつも弾いていたのですが、ここは難しいことは考えず、隣の音を弾けばいい!と考えを切り替えて、ソを弾きましょう。
楽譜のダブルシャープの横に「ソ」と書いても良いと思います(笑)

この曲には後にもダブルシャープが少々出て来ますが、悩まず同様の考え方で弾いてみましょう。


20小節目から22小節目にかけては、特に指示はありませんが少々アッチェレランドをかけて弾くのも良いと思います。

そして22小節目の3拍目からリタルダンドをかけましょう。


24小節目からは細かい音符がたくさん続いて難しそう!と思ってしまいそうですが、よくよく見てみると同じ和音を繰り返しているだけなんです。

不規則に音符が並んでいるのではなく、規則に沿って音符が並んでいるので、オクターブは違えど音符の種類は一緒!そんなに難しくありません!

それは右手だけではなく左手も同様で、右手が最初に弾いた音を左手が追いかけていく形になっています。

ここの部分は、夢への導入部分なのかなと勝手に思っていました。

先ほども説明していたのですが、年月をかけて育んだ「愛」のことだと思っていたので、老夫婦の人生のようなものが頭に浮かびました。

前段の優雅なメロディは今現在の2人の情景で、ここの連符で夢の世界へ少しずつ入っていき、27小節目からは若かった頃からの楽しく美しい思い出などが駆け巡っているようなイメージでした。

なので、ここの連符はまるで魔法にかかって引き込まれていくように弾くと良いと思います。


27小節目からは転調して、雰囲気がガラッと変わりますね。
ここで気をつけたいのが、今までと異なり両手で8分音符の伴奏を弾くことになるので、うるさくしないこと。
そして、ここにも強弱記号がついていませんね。

実は24小節目に初めてピアノがついているので、ここもまだピアノで弾かなければならないのです。


33小節目からは4小節をかけてクレッシェンドをしていき、ここで初めてフォルテになります。

38小節目からこの曲の盛り上がりを見せる場面ですね。
左手は主張して強くなりすぎないように注意します。


42小節目からはフォルテッシモになります。
メロディをお腹の奥底から声を出して高らかに歌うように弾きましょう。

8分音符を弾くことばかり考えてしまうと、メロディと伴奏の付点2分音符をミスタッチしてしまいがちです。

ここは弾く前からオクターブを弾く指の形を構えて、確実に音を捉えましょう。


59小節目からはまた連符が続きます。
しかしこちらも規則的に音を駆け下りていっているだけですので決して難しくありませんよ。

先ほどは夢の世界へ入っていくことをイメージしましたが、今度はだんだんと意識がはっきりしてきて、夢から目覚めるというイメージで弾いていました。


62小節目からはまた現実に戻ってくるかのように最初のメロディに戻ってきますが、決して現実に戻ってきてしまった…という、落胆の気持ちではありません。

昔を愛おしく思う気持ちはあれど、今は今で良かったと、そう言い合う姿が頭に浮かびます。
ここからは3、4拍目4分音符の和音が入ります。
まだ夢から覚めきっていないかのように、夢の輝きをキラッと残しているようなイメージで弾きましょう。


79小節目からラストにかけては優しく柔らかく幕を閉じます。

まとめ

1、深く優しい愛を表現するように弾く!
2、強弱記号がついていないところは自分がうまく表現できる強弱で弾く!
3、連符部分はよく音を見て、規則性を見つける!

いかがでしたか?リストの中でも人気が高く、有名な曲ですのでレパートリーの一つとして加えていただきたい一曲です。
この曲の持つ美しさを、存分に活かすように弾いていただきたいと思います。


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