演奏会などでたびたび耳にするショパン作曲の華麗なる大円舞曲。タイトル通り華やかで聞き栄えのする曲ですよね。

この曲はショパン作曲のワルツ集の中の1曲です。
ワルツは全19曲。その中でも1番から14番までは有名な曲や難易度の高い作品ばかりですが、15番から19番までは比較的易しい曲になっています。
ショパンの数々の作品の中でもワルツはわりと弾きやすいとされる部類に入るので、私自身もそうでしたがショパンを勉強するのに、ワルツからという方も多いと思います。

今回は「華麗なる大円舞曲」を、華やかに軽快に演奏するためのポイントを紹介したいと思います。
この曲だけでなく他のワルツの作品にも役立てる内容になっていますので、参考にしてみて下さいね。

華麗なる大円舞曲の難易度は?

この曲はワルツ集の中で1番とナンバリングされています。いざワルツを練習しようと思って楽譜を購入し、1番から弾こう!なんて絶対に思わないで下さいね。

なぜなら私の主観ですが、1番のこの曲が最も難しいと思うからです。
手の大きい人や男性の方には弾きやすかったという方もいらっしゃるかと思いますが、私はそこまで手が大きくないのでこの曲には苦労した思い出があります…
そしてテンポも速いです。

ですので、これからワルツを演奏してみようかなぁという方には3番、6番「子犬のワルツ」、9番「告別」、あたりから練習していくのもいいかと思います。
ちなみに私は「告別」から入りました。美しすぎるメロディーにこの曲でショパンの虜になった思い出の曲です。

まずは曲の流れを覚えよう



この曲はワルツ集の中でも長い曲です。メドレーかな?って思うぐらいに次々に曲が展開していきます。
最初はゆっくり正確に譜読みをしていってくださいね。

同じフレーズが何回か出てくるのですが微妙に変化していたり、同じ和音でも第3音が抜けてたり第5音が抜けてたりと結構紛らわしい部分が多いです。なのでこの時に暗譜も一緒に出来ると後々楽になりますよ。
前にも言った通り、テンポが速いので、暗譜は絶対必要です。

メロディーが重音になっている所はメロディーだけを取り出して練習してみると音量のバランスがよくなると思います。立体的に音を出せるように、自身の音をよく聞いてくださいね。
中間付近の装飾音符もまずは外してそのまま弾いてみてから付けてみましょう。この部分の装飾音符は、メロディーと寄せて弾いたほうがいいからです。少しずらして弾く重音ぐらいにとらえた方がテンポよく弾けるようになりますよ。

左手の伴奏で曲の雰囲気が決まる!


だいたいワルツが重くなる理由は伴奏です。そしてその原因は手首が硬い、上下の運動が上手にできていないという所にあります。
ショパンの楽曲は手首や肘を柔軟に使わないとショパンらしい繊細な音は出す事が出来ません。逆にロマン派よりも前の楽曲はそういう奏法は好まない場合が多いです。

1拍目はベース音なのでずっしり重く、2拍目と3拍目は軽くとか小さくというのがワルツの鉄則ですが、この2拍目と3拍目での手首の使い方がポイントになります。
イメージとしては「和音を弾く前に少し手首を下げて、上げた時に指が鍵盤に触れて音が鳴ってしまった」というぐらい浅いタッチで、でもしっかり和音は掴んでください。

とにかく柔軟な手首の上下運動が大切です。
ショパンやリストはこの運動を多く要求する曲が多いです。
「弾く」という概念を取り払うと、軽快な伴奏が出来ると思いますよ。

実は音量を出したい時もこの手首の運動はとても大切なのです。
例えば8小節目の1拍目の音なんかも手首を使って音を出すと、柔らかでいてしっかりとした音量を出す事ができます。指の力だけで出すと硬い音になってしまうので、こちらも自身の音をよく聞いて、手首の使い方を研究してみて下さいね。


あくまでも手首の運動は自然に行うことが大切です。

曲を仕上げよう!


この曲に付いている発想記号「vivo」とは「活発に、生き生きと」という意味です。
ですので、それなりのテンポは必要になります。同音連打の部分など弾きにくい所は取り出してよく練習してくださいね。
同音連打が苦手という方は、ツェルニー40番の中から22番、ハノン44番なんかを練習に取り入れるのもいいかと思います。

あとは、「ため」や「緩急」などの「テンポをゆらす」という事を上手に取り入れるといわゆる「感情のこもった」演奏に聞こえます。
でも、これをやり過ぎるとしつこい不自然な演奏になるので気を付けて下さいね!
必ず自分の演奏を録音してチェックしてみましょう。
自分では気分よく演奏していても、後から聞いてみると「ここはいらなかったなぁ」という所が多々あるものです。

これらの事は楽譜には書かれていないので難しい所です。センスが問われる部分でもありますので「ここは聞かせたい!」という所で取り入れてみて下さいね。
たくさんの演奏を聞くというのが1番手っ取り早いかもしれません。

まとめ

①長い曲なのでゆっくり暗譜をしながら正確に譜読みをする。
②手首、肘を柔軟に使って軽やかな伴奏を奏でよう。
③感情豊かな演奏をする為に、緩急をつけてみよう。
④自分の演奏は必ず録音してチェックをしよう。

前にも言ったように、ショパンの曲において柔軟な手の運動はものすごく重要になっています。
弾きにくいと感じる部分も、この運動をマスターする事で、解決してしまう場合もありますし、手にかかる負担も減っていきます。

ワルツはショパンの中でも初期に勉強する方が多いと思います。ですので後々に控える難易度の高いショパンを勉強する前に、是非この奏法を身に付けて下さいね。


「華麗なる大円舞曲」の無料楽譜
  • IMSLP(楽譜リンク
    本記事はこの楽譜を用いて作成しました。1915年にデュラン社から出版された楽譜です。

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