スウィングのリズムに身をゆだね、ウキウキした気持ちにさせてくれたり、夜寝る前にジャズのバラード(ゆっくりな曲)を聞きながら、夢うつつに…ジャズは私たちの生活を豊かなものにしてくれます。

今回は、そんなジャズで聞き馴染みのある主な楽器の紹介と、少し意外な楽器の紹介をしたいと思います。

■ 目次

ピアノ

楽器の王様、ピアノ。奏法も様々、弾き方や、タッチ(ピアノの強弱)、コードワーク(和音をどのように弾くか)等々、演奏者の個性により大きくその表情も変わります。ピアノの鍵盤数は88鍵。ひくーーいラ、の音から、たかーーいドの音まで、その広い音域を活かした演奏は、ソロでも、伴奏でも、聞く人を惹きつけます。

アドリブが白熱して来ると、ひじで、脚で、弾いちゃう、なんてことも。

アルバム「センチメンタル」山下洋輔


ちなみに、山下洋輔さんは、ピアノは打楽器だ、と申しておられました。なるほど。

ベース

低音を支える。私事ですが、学生の頃に吹奏楽部に所属していまして、チューバという低音楽器を担当してました。楽譜に出て来るフレーズは、語弊があるかもしれませんが、地味なフレーズ。ひたすら、低音を這いつくばったフレーズに、当時中学生だった私は、なんて地味で面白さがないんだろ、と思っていました。しかし、大人になって、ウッドベースのあの渋い音を聞いた瞬間、低音かっこいい!と思ったのをふと、思い出しました。

とにかく、ベースはバンドの中枢をなすもので、ノリを出したり、コードワークの要となったり、と、リズムにおいても和音においても大変重要な役割を担っています。オールマイティな役割。

ドラム

バンドのリズムの要。だいたいバンド編成であれば、一番後ろ、中央にあります。曲のカウント出しから、リズムでバンドを引っ張り、他の楽器が演奏しているときは縁の下の力持ち、ドラムソロのときは華々しく演奏し、お客さんを楽しませ、最後はじゃーん、と曲を締める。

まるで名司会者ですね。

私がピアニストとして、ジャズセッション参加させていただくときに、ドラムの方は、ずっと叩いておかないといけないので、大変だな、と、個人的には思っちゃたりします。ドラムが止まると、曲がとまっちゃうので、よほどのことがない限りは、ビートを刻み続けないといけませんもんね。

私は、ピアノでバッキング(伴奏)をずっとしているていると、途中で少し音数を減らしたりして、若干休む時もあります。←おいおい

管楽器


サックスやトランペット、トロンボーン、フルート、クラリネットなどなど。更には、T-SQUAREの伊藤たけしさんでもお馴染み、電子楽器のEWI(イーウィ・ウインドシンセサイザー)なんて楽器も。

ソロに適した花形楽器で、その派手な音色で観客の心を掴み、テーマや途中のアドリブプレイでは、即興演奏で場の雰囲気を一気に盛り上げます。1本のみの時もあれば、数本(サックスとトランペットなど)でハーモニーを作ったり、といったこともできます。

「ザ・サイドワインダー/リーモーガン」


ギター

一人でも、バンドでも活躍。ジャズの場合には、フルアコースティックギターが使用されることが多いようです。絶対ではありませんが。ただ、音は、ロックのようにガンガンに歪(ひず)ませたりはしません。優しくクリーンな音作りをされている方が多いですね。

私の所属しているジャズバンドのギターの方は、フェンダーのエレキギターですが、空間系のエフェクターを軽くかけて、とても素敵なジャズ向きの音作りをされています。

ヴォーカル

声も立派な楽器です。何と言っても、十人十色、百人百様、それぞれの個性のある声色で聴いている人をうっとりさせます。あ、ライブでは、そのトーク力も魅力の一つですね。

意外な楽器のご紹介

ピアニカ

小学校で習うピアニカですが、侮るなかれ、とても哀愁のあるその音色は、ジャズにもぴったり。アコーディオンにも音が似ているかも。

以前ピアニカが主役のジャズバンドをみに行ったことがありますが、時に優しく、時に攻撃的に、アグレッシブに、といった表現幅の広さには驚きました。

民族楽器

世界中、色々な楽器がありますよね。前出の山下洋輔さんが、何かのテレビで言っていましたが、ドレミファソ〜〜の西洋音楽の音階や理論って、世界的に見ると少数派で、むしろ民族音楽の方が大多数、なんてことをおっしゃっていました。

なので、現地の方とセッションするときは、それぞれの楽器の中心となるような音を探っていき、そこから、スケールや調性的なものを導き出したりするんだとか。

楽器の数や音色は無限大。それぞれに色んな可能性を秘めているように感じます。


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